ダンサー、コンテスト選手、トレーナーとマルチな活躍を見せているKO-TAさん。2018年のベストボディジャパンでの初優勝を皮切りに、国内外問わず実績を残しているイケメントレーニーだ。近年はSuper Body Contestなどの大会に多数出場し、磨き上げた肉体とダンサーならではの演出で観客を魅了している。そんなKO-TAさんのパフォーマンスの裏には、どのような努力や思いが込められているのだろうか。今回は前後編のインタビューで、その秘密に迫っていく。後編では、ダンサーとしてのルーツやトレーニングについて聞いた。
自分が楽しんでいるからこそ、お客さんにも楽しんでもらえる
――ダンサーだからこそ、ボディコンテストで感じることとは何ですか?
「一番は『お客さんをいかに楽しませるか』という考え方になることです。ここでこういう風に動いたら湧くかなとか、今お客さんが飽きてきているなとか。そういうことをつねに考えています。あとはステージに立つと、独特の音が聞こえるんですよ」
――音ですか?
「はい。会場で鳴っているBGMがありますよね? 『ドドドドドドドドド、バン』みたいな。僕は動きの中で、その音を取っていくんです。速いテンポならそれに合わせて動きますし、ゆっくりなら逆も然りです。たとえばフロントポーズであれば、予備動作の段階からリズムに乗って、BGMが『バン!』となった瞬間にポーズを決めるとか。そうするとお客さんが、『いつもと違うな』と思ってくれているのがわかるんです。海外の大会ではとくに、そういう動きはよろこんでもらえました」
――それは初めて聞きました! ステージも奥が深いですね。
「自分のことを全然知らないお客さんが見た時に、『あの人めっちゃ面白くない?』と思ってもらえるように意識しています。つねに客席を見て、沸かせるポイントを探しているかもしれないです。規定ポーズでも、じつは首で音を取っていたりとかいろいろしているんですよ(笑)。そうすると反応も多少違いますし、自分も楽しいですね」
――ダンスは動いて魅せる、コンテストは止まって魅せるイメージがありましたが、世界がひっくり返りました。
「うれしいです(笑)。でもじつは、ダンスも大事なのは『動きと止め』なんですよ。速く動くだけではだめで、流れの中でピタッと止めることで、かっこよさが生まれるんです。コンテストもある意味同じで、マッチョでも力を入れ続けていたらかっこ悪いですよね。それよりはポージングでも、最初は力を抜いていて、バシッと決めるみたいな。そういうところがかっこいいステージングにつながると思います」
――そういったパフォーマンスの境地に達するまでは、いろいろ試行錯誤もあったのではないでしょうか。
「こうすればいいんじゃないか、というのをいろいろやってきて、それが固まって今の状態だと思うので、説明がすごく難しいですね(笑)。良くも悪くも感覚を大切にしている感じです。ただ一番は、自分が楽しんでいるからこそ、お客さんにも魅力を伝えられるんじゃないかと思っています。『絶対に優勝するぞ!』 と思って臨む部分はもちろんありますが、自分はそれが半分くらいで、あとはお客さん目線なんです。だから毎回、ステージに立つのがすごく楽しみです」
――ダンスとコンテストに通じる魅力はありますか?
「魅せるよろこびはもちろん、単純に体を動かすことが好きなんだと思います。自分の中で、何歳になってもかっこいい男でいたい気持ちがありますね。だから昔はこんなに動けたからよかったとか、そういう言い方を絶対にしたくないんです」
――つねにベストの自分を更新できるのが魅力だと。
「まさにその通りです。もう40歳になりましたが、またまだ進化を止めるつもりはありません。トレーニングやダンスはもちろん、その他の活動でも毎日最高の自分を更新していきたいですね」
――最後に、今後の目標を聞かせてください。
「今後は出るコンテストを厳選して、無理なく最高のパフォーマンスを出せるようにしていきたいです。昨年までは多くのコンテストに出ていましたが、体に少し無理があったなと感じています。ナチュラルな自分で、お客さんの前に立てるようにがんばります」
取材・文/森本雄大
写真提供/KO-TA
KO-TA
本名:岡野紘大。ダンサー、ボディコンテスト選手、パーソナルトレーナー、YouTuberなど多彩な顔を持つ。22歳でダンスを始め、ダンス歴2ヶ月で日本武道館を経験。その後はプロダンサーとしてアーティストの指導や振付を担当しつつ、自身もダンス&フィットネスグループ「Vo2max」のメンバーとして活躍した。ボディメイクにも本格的に取り組み、2018年にはベストボディジャパン日本大会で初優勝し、日本代表にも選ばれた。2019年に韓国で開催された『FITNESSSTAR FINAL in KOREA』ではクラス優勝&総合グランプリ獲得を達成したほか、近年ではSuper Body Contestなどの大会で実績を残している。
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