VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回は宇多村大介トレーナーの後編です。驚異の肉体をつくり上げた筋肥大トレーニングを実際に体験させてもらいました。
「筋肉が大きくなるというのは、環境に対する適応です。機械的にでも負荷がかかれば筋肉は発達するわけです。では、どれくらいの負荷をかけたら良いかと言うと、100%以上です」
宇多村さんのトレーニングは、とにかく高重量を扱うことで、体がそれに適応するように促していき、筋肥大を狙うというもの。百聞は一見に如かず。今回は肩の筋肥大トレーニングをお願いしました。
まずはサイドレイズからで、最初にコツをレクチャーしてもらいました。
「肩峰という肩のくぼんでいる部分があって、これが真上を向くようにして上げます。人によって腕を上げたときにくぼみが後ろを向く場合がありますし、骨格の違いで左右差がある場合もあります。まずはこのくぼみが上を向く位置を探すのがポイントです」
宇多村さんに確認してもらって、私はオーソドックスなタイプだったので、普段と同じ形でサイドレイズをやれば問題ないとのこと。軽くウォーミングアップをしてからトレーニングに入っていきます。
やり方はいたってシンプルです。宇多村さんが全力で負荷をかけてくるのを全力で耐えるだけ。「1ミリも動かさないつもりで耐えてください」と気合を入れてもらいます。
写真を見ていただけばわかるように、全力で耐えています。これを10回やったのち、今回は4㎏で10回→2㎏で15回サイドレイズを行なって1セットです(もっと重くてもできるなら重量はいくら上げてもOK)。
セット数を決めると、それをこなすために力をセーブしてしまうケースがあるため、予めセット数は決めないのが宇多村さん流。力を全部出し切れるなら「時間は短ければ短いほどいい」と言います。
もう少しいけそうだったので2セット目に突入しましたが……。
2セット目を終えた後の姿がこちら。
くたびれた中年サラリーマン。腕がどこかにいってしまった感覚です。
「最初の耐えているところで100%の力が出せていると思うので、最後は2㎏でも重たく感じたと思います。それでOKです」(宇多村さん)
続いてはベンチ台に横になって肩の後方部分を攻めるライイングリアレイズ。これもサイドレイズのときと同じように、まずは宇多村さんが全力で負荷をかけてくるところを100%の力で耐えます。
これを10回行なってから、ダンベルを持って同じ動作。ダンベルを地面と垂直に立てて上げていきます。力が残っていないので、2㎏で10回→1㎏で10回。腕のラインが平行を保ったまま動かします。
右が終わったら同じことを左でも行ないます。だいぶ出し切ったのでこちらは1セットで終了です。
3種目めはショルダープレス。「ポイントは必ず一度止めることです。下ろしたら必ず一度止めて、そこから押すということです。これも押せない重さでいきます」ということで、残りの力を振り絞って40㎏で10回……と思ったのですが、パワーが残っておらず重量を下げます。
重量を下げて必死の形相でチャレンジ。しかし、最後は弱いほうの右から崩れ落ちていきました。完全に力が0になった状態です。
力不足を痛感したものの、宇多村さんは「逆に最後まで元気だったら力を残している、前の種目で100%出せていないということなので、これでいいんです」と言ってくれました。
これにて今回のトレーニングは終了……ではなく、せっかくなので自慢のパーツである三頭筋のトレーニングも1種目だけお願いしました。
上腕三頭筋種目は、トライセップスロープです。基本的なやり方はこれまでと同じ。ベンチ台にもたれるように立って、両手でロープを持って引っ張られないように耐えます。
両手で10回終わったら、続いて片手で左右10回ずつ行ないます。
これもきつい。「もう1セットいきますか?」と言っていただいたものの、限界だったためドラゴンストップを要請。「我々は殺し合いをしてるんじゃない。わかってください」(by藤波辰爾)。これにて本日のトレーニングは終了となりました。
そして終了時の私の姿がこちら。
燃え尽きて真っ白な灰になったよ……。
筋肥大トレーニングはとにかくきついトレーニングでした。しかし、100%出し切った充実感も大きく、体はめちゃくちゃきついのに、すごくいい笑顔のショットをカメラマンが抑えていました。
「トレーニングはきつくていいんですよ」と笑顔の宇多村さんにつられて、こちらも笑顔になっていました。充実したトレーニングができて大満足です。
というわけで、今回はここまで。宇多村さん、ありがとうございました。
【トレーナーPROFILE】
宇多村大介(うたむら・だいすけ)
1974年12月18日生まれ。二十歳のときからトレーニングを開始し、1998年にアルバイトスタッフとしてゴールジムに入社。2000年より東京YMCA東陽町ウエルネスセンター(当時)に仕事場を変え、併設されている東京YMCA社会体育・保育専門学校の授業も担当するようになる。NSCA認定パーソナルトレーナーの資格を取得し、2006年からはパーソナルトレーナーとしての活動をスタートさせた。学生やOL、高齢者から格闘家やプロスポーツ選手まで、幅広く個人指導に携わってきた。
【パーソナル情報】
東京YMCA社会体育・保育専門学校内学生専用トレーニングルーム(プライベートスペース)
〔住所〕東京都江東区東陽2-2-20
〔料金〕
お試し=5,000円
1回60分=10,000円(都度払い)
5回分(先払い)=45,000円
10回分(先払い)=80,000円
※パーソナルの連絡は学校ではなく本人へお問い合わせください。
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1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。