除脂肪のための効果的な方法は?【バズーカ岡田にきけ!】




これから筋トレを始める初心者から、トレーニングを日常生活に取り入れている人まで。あらゆる悩みを骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。今回は体を絞りたい人は気になるであろう、除脂肪の方法について。
※この記事は2017年に投稿した内容を、再編集してお届けするものとなります。

有酸素運動と食事に気を遣いましょう

ダイエットのためには有酸素運動よりも筋トレが有効だというお話をしましたが、脂肪を落とすことにフォーカスすれば「有酸素運動をすること」、「食事での摂取カロリーを減らすこと」が効果的です。基本的にダイエット期間中は筋肉が落ちやすいので、筋トレを行なうことは必須。それにプラスで有酸素運動をするなら、ウォーキングが一番おすすめです。

有酸素運動にはランニングや水泳、自転車などもありますが、筋トレを基本と考えた場合、ウォーキングが一番筋トレの効果を阻害しないからです。簡単に言うとランニングや水泳を行なうと、筋トレに影響する筋肉が疲労してしまいます。また、有酸素運動で筋力を使ってしまうと、筋トレの効果が下がる場合もあります。

ランニングや水泳のほうが、消費カロリーが大きいのでいいのでは? と思うかもしれません。しかしウォーキングは、エネルギー消費は緩やかですが選択的に脂肪を消費してくれるので効率的とも言えます。それでいて、筋肉を疲労させることもないですし、「よしやるぞ!」 というような高いモチベーションも必要ないので、筋トレと合わせて行なうにはちょうどいいと思います。減量中のボディビルダーにウォーキングを行なう人が多いのは、それが理由です。歩くという行為は通勤や買い物など、日常生活に取り入れやすいこともメリットですね。

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食事からの摂取エネルギーを落とす方法については、低脂質・高タンパクにするのが効果的です。脂質は1g当たりのカロリーがタンパク質や糖質(炭水化物)の倍あるので、摂取カロリーを減らすには脂質を抑えることが有効なのです。

ただ、脂質もゼロにしてはいけません。コレステロール由来のホルモンもありますし、脂質は細胞の膜を形成していたりもするので、体にとって必要な栄養素です。エゴマ油や魚、ナッツなどから、体で生成できない”質のいい脂質”を摂取しておくことは必要でしょう(肉の脂身などはカットしても問題ありませんが)。

最近は糖質を制限するダイエットが流行っていますが、長期的に行なう方法としてはおすすめしません。とくに筋トレを基本として考えると、糖質はトレーニングを行なうためのガソリンとして働きます。それを減らしてしまうとトレーニングの質を落とし、筋肉まで失いかねないからです。たとえば、減量をしていて体重が減りにくくなってきた停滞期などに、体への刺激を変える意味で短期間行なうのは有効ですが、長期に渡ってやるべきではないと考えます。


岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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