昨今、急速に愛好者が増えているエクササイズの一つが自転車のロードバイクでしょう。休日のサイクリングロードに行くと、高性能なロードバイクにまたがった人たちがスゴいスピードで走っているのを見る機会も増えました。では、最新のロードバイクはどんなところが進化しているのか? この週末に開催された「サイクルモードインターナショナル2017」で、最先端のロードバイクを見てきました。
まず、目についたのがディスクブレーキを搭載したロードバイクが多いこと。少し前まではロードバイクのブレーキといえば、リムを挟み込むキャリパーブレーキというものが一般的でしたが、国際的なレースでディスクブレーキが解禁されたことで(日本国内のレースでは、まだ解禁されていないものも多い)一気に一般化しました。制動力が高いことと、ホイールなどの剛性が高められることがメリットです。
このモデルで気になったのはフレームの中央部に見慣れないボタンのようなものがあること。
ロードバイクにボタン!? と思ってしまいますが、最近のロードバイクは電動の変速機構を持っているため、そのコントロールユニットをフレーム内に収められる構造になっているとのこと。なんだか近未来のマシンっぽいですね。
先程のボタンの下のほうは、このサスペンションを操作する機構を持たされています。
荒れた路面からの衝撃を吸収する機構を採用したモデルが増えているのも、一つのトレンドのようです。こちらはスペシャライズドというブランドのROUBAIX(ルーベ)DISC Di2というモデル。
このモデル、「パリ・ルーベ」という昔ながらの石畳を走る区間があるレース向けに作られているので、特に衝撃吸収性には定評があります。荒れた石畳の路面でも、まるで絨毯の上を走っているかのようにショックを緩和してくれるとのこと。
もう一つのトレンドが、空気抵抗を抑えるエアロ効果を高めたモデルが増えていること。レーシングスピードで走るロードバイクにとって、最大の抵抗は実は空気。その空気をうまく受け流すことができれば、それだけ選手は少ない力で速度を維持できます。そのために細かい部分まで作り込まれているのです。
レース用のバイクだけに、空気や路面からの抵抗を少しでも減らそうとメーカーが努力していることが伝わってきます。そして、実際にレースを走っているモデルがそのまま市販車として購入できるのもロードバイクの魅力の一つ。ただ、価格は軽く100万円くらいしてしまいますけどね。(スペシャライズドの2台はどちらも108万円、ピナレロのモデルはフレームだけで92万円です)
しかし、こうしてトップのレースで使われるモデルで培った技術は、徐々にエントリーモデルにも展開されるようになります。自転車に100万円オーバーの投資ができる人以外は、その日を待ったほうが良さそうですね。
取材・文/増谷茂樹