BBCが発表したthe 100 women
ビーチバレーの選手としてアテネとシドニーの両五輪で銀メダルをブラジルにもたらしたアドリアナ・べアールは、2011年から母国ブラジルでスポーツ計画庁長官をつとめています。また、同じくブラジルの女性サッカー選手のベアトリス・バゼ・シルバも選出されました。バゼ・シルバは、現在はアメリカの女子サッカーリーグNWLSのボストン・ブレイカーズに所属しています。2010年からはブラジル代表のユニフォームに袖を通しています。
もう1人ブラジルから紹介しましょう。彼女の名前は、クラウディニ・ディリカ。ファヴェーラ(スラム街)の女の子たちにサッカーを教えています。近年のリオは危険が増しており、7時間に1人が拳銃で撃たれている統計があります。その原因は、失業率の高さで、オリンピック後の不況がブラジルを直撃したと言われています。ファヴェーラの治安はさらに悪化しています。危険が日常となっている場所から、スポーツによって逃げ出そうとしている女の子たちを指導しているのがディリカなのです。イギリスの慈善団体がピッチをファヴェーラに建設し、週に1度彼女たちは練習をおこないます。しかし、ギャングと警察の争いで、練習がなくなることもしばしば。それでも希望を失わず、サッカーを続ける子どもたちにディリカたちは指導を続けています。
ミタリ・ドライ・ラジは、インドのクリケット選手で、インド代表のキャプテンでもあります。女性で唯一6000得点を記録しています。クリケットのワールドカップの決勝に2度チームを導いたのは、男女を通じて初めてのことです。常に平常心を保っていることから「Captain Cool」をファンから呼ばれています。2017年のワールドカップで、平常心を保つため、試合中に本を読んでいて、ファンから注目を集めました。この試合、彼女は、71得点を入れ、チームに勝利を導いています。
日本人として唯一ランクインした伊達公子選手は、先日2度目の引退をしました。伊達選手は、1995年に自己最高の世界ランク4位を獲得。アジア人の女子テニス選手が10位以内に入るのは初めての快挙でした。25歳で一度、現役を引退。その12年後に37歳で現役に復帰し、世界の第一線で再び10年間プレーして、テニス界のみならず、各方面から注目を集めていました。
文・大西鉄弥