10/9(日)、メルパルクホール大阪にて、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催の第68回男子日本ボディビル選手権大会及び第40回女子日本フィジーク選手権大会が開催された。コロナ禍からの復活を示すように、男子42名、女子27名と有力選手がほぼもれなエントリーして、日本最高峰の熱戦を展開した。
男子ボディビルでは、昨年王者の相澤隼人(22)が見事に連覇を達成。前年に続く完成度の高いボディを披露しての戴冠となったが、バックステージでは嬉しさではない涙も。その理由を問うと、「今年は怪我なども含めて失敗も多く、ステージ上でもその不安が顔に出てしまっていた。素直に喜ぶことができない」と明かす。しかしながら、それでも優勝は優勝。「連覇2年目でこういう経験ができたことを次に生かし、オフの過ごし方から見直していきたい」と展望を語った。
また、ボディビル界屈指のイケメンとして注目を集める嶋田慶太(37)が昨年6位からジャンプアップ。8月の日本クラス別選手権75kg以下級で優勝をしていたが、そのときからも見違えるほどの仕上がりで大きな名誉を得た。
今大会では、若手も大きく躍進。ジュニア王者・杉中一輝(23)は9位につけ、師である3位の木澤大祐(47)との念願のポーズダウンを実現。今年のミスター東京でありクラシックフィジーク日本一にもなった喜納穂高は11位でファイナリスト入りを果たした。
その一方で、佐藤茂男(48)、松尾幸作(41)、そして4連覇経験のある田代誠(51)らが決勝進出ならず。時代の移り変わりを印象付ける大会となった。
女子では、澤田めぐみ(61)が昨年に続き頂点に立った。予選審査から2位の清水恵理子(58)と一騎打ちを繰り広げたが、貫録の勝利となった。また、ボディフィットネスから転向1年目の阪森香理(52)が初舞台で3位入賞。今大会は40回目の節目の大会ということで、表彰式前には特別セレモニーも実施され、男子に負けない盛り上がりを見せた。
10・11月に開催される世界選手権に臨む選手はいるものの、JBBF主催の2022年の国内大会はこれにて閉幕。今年もコロナ禍で歓声は禁止されたものの、見ごたえあるバトルには地鳴りのようなうなり声が会場内に響き、大きな拍手が巻き起こった。
サッカーをはじめとした屋外スポーツでは徐々に“声出し”が解禁され、屋内スポーツやイベントでも試験的に解放されつつある。来年こそ、ファンの生の声を届けられる大会となることを期待したい。
文・写真/木村雄大