佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.20 柿内フランコ(パーソナルトレーニングジムBiP飯田橋店)前編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。2023年最初となる今回登場するのは「パーソナルトレーニングジムBiP」飯田橋店の柿内フランコトレーナーです。前編では24歳、新進気鋭のトレーナーの歩みを紹介します。

柿内フランコトレーナーは24歳の若きパーソナルトレーナーです。この道を志した原点は「人の役に立つ仕事をしたい」という思いでした。

 

曽祖父が日本人、それ以外はペルー人という家系を持つ柿内さんは、日本語と合わせてスペイン語を話すこともできます。小学生時代から通訳のお手伝いをする機会があり、将来は人の役に立てる仕事をするため、通訳士、あるいは翻訳家になりたいと考えていました。

 

「人の役に立てる仕事ということで将来は翻訳家、あるいは通訳士を目指していたのですが、高校生のときからトレーニングを少しずつ始めて、『これを仕事にしたい』と思うようになりました。トレーニングを教えてお客様に健康になってもらう。人の役に立つ仕事に就きたいという本質は一緒でした」

 

高校卒業の進路を決める際、トレーナーを目指すためにスポーツ系の勉強ができる大学に行くか、それとも語学系の大学に行くかの選択を迫られます。このときは親や担任の先生の勧めで語学系の大学を選択しました。しかし、違う道を選んだことで、逆に自分が本当にやりたいのはトレーナーだと確信することにつながり、柿内さんは早々に大学を退学。トレーナーを目指すべく、東京スポーツ・レクリエーション専門学校(TSR)に入学しました。

 

「親には本当に申し訳なかったのですが、大学は自分が求めているものと違うとわかったので、このまま続けても中途半端になると思って辞めさせてもらいました。実際にTSRで勉強を始めると、人間の関節の話や姿勢改善の話がメインで、まったく知らないことばかりでした。難しいなと思いましたが、この道に進んで良かったと思いました」

 

学校でトレーニングに対する基礎知識を学びつつ、インターンではBiPで現場の空気も体感。そして専門学校を卒業すると同時に、そのままBiPに就職することなりました。

柿内さんが正式にトレーナーとしての一歩を踏み出したのは、2020年4月のこと。その直後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策として、東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・福岡の7都府県に初の緊急事態宣言が発令されました。パーソナルトレーナーになってすぐに、ジムが休店するという事態に見舞われてしまったのです。

 

「入社してすぐ、4月、5月はジムが休店してしまいました。そのとき、『オンラインでやってください』というお客様がいたので、ZOOMを使って、指導をさせていただきました。普通ではやらない経験をできたと前向きに考えていました」

 

トレーナーを始めて早々、トレーナーとしての仕事ができない。普通なら落ち込んでもおかしくないところですが、柿内さんはこんな状況も「この機会にできることをしよう」と前向きに考えることで、状況をプラスに変えていきました。

 

「社会人になるとなかなかまとまった時間をとることができません。せっかく時間ができたのだから勉強の時間にしようと考えました。元々、調べ物をするのが好きなタイプで、論文を読んで知識を得たりとか、専門学校時代に足りなかった栄養に関する勉強をしたりとか、この機会にしかできない時間の使い方をするようにしました」

 

その後、緊急事態宣言も解除されて少しずつお客様が戻ってくると、本格的にパーソナルトレーナーとしての活動が始まりました。

 

「トレーナーをやっていて一番うれしいのは、お客様が目標を達成してくれることです。トレーニングを続けていくと、お客様に新しい目標も出てくるので、それを一つでも多く達成していただけると、一緒に喜べますし、それがこの仕事のいいところだと思います。今は毎日楽しいです。自分で言うのも変ですけど、この仕事に向いていると思っています(笑)」

 

お客様の目標達成を手助けできることがうれしいと考える柿内さんは、そのためにも自身のさらなるレベルアップを求めていきます。

 

「トレーナーになって3年、まだまだ覚えるべき知識はあると思って勉強をしています。姿勢の改善や痛みのある場所へのアプローチなど、もっと突き詰めてどんなお客様にも対応できるトレーナーになりたいです。また、僕個人として知名度、ネームバリューを上げていきたいという思いと、自分の体で試行錯誤していくという部分で、ボディコンテストにも出場して結果を出していきたいと考えています。いろいろなことにチャレンジしていきたいです」

 

パーソナルトレーナーになるという目標達成は、ゴールではなく新たな挑戦へのスタート。自分を磨くためのさまざまな挑戦は、柿内さんにとって初心である「人の役に立つ仕事」をしていくために不可欠なものなのです。伸びしろ十分の若きトレーナーは、挑戦を重ねるごとに進化していくことでしょう。

 

というわけで、今回はここまで。次回はトレーニング編をお届けします。

 

【トレーナーPROFILE】
柿内フランコ(かきうち・ふらんこ)
1998年4月17日、埼玉県出身東京スポーツ・レクリエーション専門学校在学中にNSCA-CPTを取得。同校を卒業後、パーソナルトレーニングジムBiPに入社し、パーソナルトレーナーとしての活動を開始した。

 

【店舗情報】
パーソナルトレーニングジムBiP
〔田町店〕東京都港区芝浦2-14-13 加瀬ビル161-2F/〔飯田橋店〕東京都千代田区飯田橋3‐7‐3 岡田ビル4F
営業時間:9:00~22:00
料金:週2回×2カ月(全16回)154,400円(税込)
※その他、無料体験、キャンペーンなど料金の詳細はHPをチェック。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。