サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。今回は、食べ過ぎや運動不足でついつい太りやすくなってしまう正月におすすめの食生活について。※この記事は2022年に投稿した内容を、再編集してお届けするものとなります。
■低血糖に慣れる日をつくるようにしていく
正月はジムも休館だったり、そもそものエネルギー消費量が少なくなる上に摂取量は明らかに増えてしまいますので、いわゆる正月太りという現象が起こります。また餅のように食べやすく、太りやすい食材が身近になりますので、あっという間に体重増となる可能性はあります。
とは言っても正月休みはせいぜい一週間ほどでしょうし、ゴロゴロとできるのは新年が明けた数日というのが一般的でしょうから、さほど深刻になる必要もありません。摂取カロリーが多いというのは間違いないのですが、食べ物の大半は水分ですから、全部が脂肪となってしまったのではなく水分を多く含んでいるという側面もあります。
問題は運動不足をそのまま引きずらないようにすることと、食生活の面では高血糖に慣れてしまわないようにすることです。3度の食事でカロリー摂取をしていたのに比べて、つねに何かを食べているという状態が続くと血糖値が高い状態が当たり前になっていきます。そうなると、少し血糖値が下がっただけでも何かを食べたいという欲求が湧いてしまうので、三が日を過ぎたら間食は止めるようにと、意志を固めるといいと思います。
また、みかんはビタミンCが豊富だからいいだろうとか、餅は脂質がほとんどないからいいだろうとかではなく、血糖値がつねに高い状態にならないよう気をつけることと、そういう日が数日続いたならば逆にそこを意識して低血糖に慣れる日をつくるようにしていきます。もっとも、摂取カロリーが増えても消費カロリーが伴っていれば問題ないわけで、理想を言えば正月を迎えても多少体を動かしておくという習慣を維持すれば心配はありません。
個人的な話をしますと、私は年末の数日間を完全オフとして、新年は三が日が過ぎる前に初トレを敢行するのをここ数年のパターンとしています。数日間の完全オフと正月のエネルギー補給の効果もあって、初トレがとても新鮮かつ強度が高く行なえて満足度が高いのです。トレ初めを思い切って早くスタートさせてみてはいかがでしょう。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。