小手先のテクニックでたやすく追い込めると思うな! 喝!
あと1回挙げられるかどうかというところで自分を追い込めるか、そこが筋肉が成長するかどうかの分かれ道です。しっかりと追い込むことで筋肥大の率は変わってきます。これは研究でも実証されています。しっかりと追い込むことで筋肉が成長するということがわかっているのならば、「追い込まない」という選択肢はないはずです。
ただ、頭では理解できていても、実際のトレーニングではなかなか追い込めないという人は少なくないと思います。そういった局面を打破して、いかにして最後のもう1発を挙げていくか。それには人によってさまざまなパターンがあるようで、私の場合は「守るべきもの」を考えるようにしています。たとえば家族のこととか、「この1発を挙げなければクラブが廃部に追い込まれる」とか。学生のなかには、ライバルのことを考えて、怒りのパワーで最後の1発を挙げていく選手もいます。
ドリアン・イエーツが言っていたそうですが、極端な話、トレーニング中にピストルを持った人が突然やってきて、頭に銃を突きつけながら「あと1発挙げろ!」と言ってきたら、挙げると思うんです(苦笑)。そんな危機的状況であったり、守りたいものであったり、怒りだったり、そういったもの思い描いて原動力に変えていくのも有効な手段だと言えます。
力を出せる状況を作り出すことは大事かもしれないです。私はボディビルダーの合戸(孝二)さんと一緒にトレーニングさせていただくことがあるのですが、「はい、これを〇回挙げてね」と言われて、その回数を挙げられなかったら、もう1セット追加されるんです(苦笑)。もう、挙げるしかないですよね。
ドロップセットやレストポーズ法を使えば簡単に追い込めると思う人もいるかもしれませんが、そういったテクニックは、しっかりと追い込んだ上でやることに意味があります。ぎりぎりまで追い込んで、そこで潰れたらドロップセットやレストポーズ法に移っていくのが基本です。
ラクに追い込むためのテクニックではありません。ドロップセット、レストポーズ法などは1人でしっかりと追い込める者のみに許された至高の行為です。そういったテクニックを使えばたやすく追い込めると思っているようなら、「喝!」ですね。
1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。16年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『2週間で腹を割る!4分鬼筋トレ』(アチーブメント出版)『バズーカ式【超効率】肉体改造メソッド』(池田書店)など著書多数。
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