元パワーリフティング世界王者・三土手大介が伝授!トレーニング×4スタンス理論




2月18日(土)・19日(日)の2日間にわたり、神奈川・カルッツかわさきにて、「マッスルコンテスト」を中心とした筋肉イベントが開催された。同会場では、ボディコンテスト3大会に加えて、パワーコンテストやアームレスリングチャレンジなどが行なわれる中、トレーニー必見のスペシャルセミナーも開催された。今回は、2月19日(日)に行なわれた、元パワーリフティング世界チャンピオン・三土手大介さんのスペシャルセミナーの様子をレポートする。

「パワーリフティング世界チャンピオン直伝・4スタンス理論徹底講座」と題された本セミナーは、トレーニングにおける「4スタンス理論」の第一人者から教えを受けられることもあり、性別や競技を問わず多くの参加者が集まった。

4スタンス理論とは、重心がつま先寄りにあるか、かかと寄りにあるか、内側か外側かによって、人間の骨格配列はA1、A2、B1、B2の4つのタイプに分けられるという理論。タイプによってトレーニングのフォームや体の動かし方が異なるため、その特徴に従ってトレーニングを行なうことができれば、最大限の力を発揮できるというものだ。

セミナーでは、さまざまな視点を交えながら4スタンス理論やトレーニングのフォームについて解説が行なわれ、とくに重要視しているという「セッティング(トレーニング動作前の準備)」については、参加者のタイプ診断を行なった上で実際に指導を実施。

例えば腹筋トレーニング(シットアップ)においてA1タイプの参加者は、股関節から動かして足を曲げ、大腿骨に内旋をかけながらセッティングすることで、正しく土台が決まる形となる。この状態で実施するとスムーズに上半身を起こすことができ、正しくトレーニングを行なうことができるのだ。逆に、A1タイプとは真反対のB2タイプの参加者がこのセッティングでシットアップを行なうと、うまく体を起こすことができずに正しく負荷をかけることができないばかりか、無理な形で行なうことで、ケガのリスクも高まることが示された。

これらを踏まえ、「自分にとって正しいフォームや体の使い方を求める時に、平均値は意味がない」とも話した。要するに、たとえばベンチプレスにおいてグリップはある選手の握り方、ブリッジの作り方は別の選手のものなど、フォームの一部分を切り取って合成しても意味がないということだ。いろいろな選手から合成しても、それは頭の中のイメージでできているだけで、実際の自分の動きとかみ合っていないことがよくあるとのこと。いいとこ取りではなく、まずは自分のタイプを把握した上で、タイプに合った形のトレーニングを学んでいくべきということだ。

他にも呼吸法なども含め、2時間にわたり4スタンス理論の観点からトレーニングを解説した本セミナー。自身のトレーニングにより自信を持てた参加者もいれば、根本的に見直すべき点が見つかり、新たな発見を得られる場となった参加者もいたことだろう。三土手さんは、自身が運営するジム「No Limits」での指導はもちろん、今回のように各地でセミナーも不定期で開催している。もし4スタンス理論×トレーニングに興味を持ったのなら、ぜひ彼を訪ねてみてほしい。

生まれ持った人体の“設定”を基にベストパフォーマンスを引き出す【三土手大介が伝授する4スタンス理論×トレーニングvol.1】

文・写真/シュー・ハヤシ