4月22日(日本時間23日)にハワイで開催される「Bellator295」にて、イリマ・レイ・マクファーレン選手との試合が決まりました。いろいろあって、試合間隔が空いてしまったため、まずは試合が決まったことを嬉しく思います。
イリマ・レイ選手は、自分がベラトールと契約した2019年時の女子フライ級チャンピオンで、王座を4度防衛していた絶対女王的存在でした。目標となる選手であり、彼女を倒したい!と思ってベラトールに参戦していきました。
2021年6月にリズ・カムーシュ選手と対戦したとき、当初はイリマ・レイ選手と闘う予定でした。契約書にもサインをしていましたが、彼女のケガにより、対戦相手がカムーシュ選手に変わったという経緯があって、今回はやっと闘えるという気持ちです。
イリマ・レイ選手は、レスリングのハワイ州チャンピオンという実績を持ち、柔術ベースのグラップラーであり、寝技での一本勝ちが多い選手です。だからと言って打撃が苦手なわけでもありません。打撃もソツなくこなすタイプで、グラップラー寄りのオールラウンダーといった感じでしょうか。
組み技の倒し合いの部分では、自分は負けないと思っています。ただ、テイクダウンを奪ったとしても、三角絞めや腕十字など、下からの攻撃もうまい選手なので、しっかり対処して、パウンドで削っていって、スキがあったら一本を狙っていきたいです。
もちろん、実際に対峙してみないとわからない部分は多々あります。相手は自分が打撃を苦手にしていると思って、打撃を中心に攻めてくる可能性も想定しておかなければいけません。打撃にも対応しつつ、自分の得意なことを押し出していきたいです。1年半くらい取り組んできたことの成果は実感しているので、自信はあります。
今回の試合場所はハワイです。昨年、アンジェラ・リー選手のジムで約3週間練習をさせてもらったので、勝手がわかりますし、日本からの移動時間もヨーロッパよりも短いため、環境に対するストレスは少ないと思います。相手は地元のスター選手であり、その人気のおかげで試合はセミファイナルに組まれています。前回のデニス・キーホルツ選手との試合以上のアウェイになると思いますが、自分はまったく気にならないタイプなので、問題ありません。ただ、前回の彼女の試合を見たら入場がすごく長そうで、それを待つのが嫌ですね。
実は今回の試合の正式発表は、対戦相手のSNSで知りました。契約は事前に交わしていたものの、いつ発表されるのかは知らされていませんでした。ある日の朝、起きてスマホを見たら、イリマ・レイ選手の投稿にタグ付けされていたのです。それを見て、「発表されたんだ」と知りました。
イリマ・レイ選手はハワイの気質なのか、すごくフランクな印象があります。タグ付けだけでなく、私のSNSの投稿をリツイートしたり、接し方がフレンドリーなんです。お互いに対戦相手にメッセージを送るというU-NEXTの企画では、「試合が終わったらパーティーをするから来てね」というメッセージをもらいました。相手が煽ってきたら、こっちも煽り返そうと思っていましたが、あまりにもフランクだったので、フランクに返しておきました(笑)。
試合前はいくらフレンドリーでも、試合になったらスイッチが切り替わるはずです。油断する気持ちは一切ありません。この試合に勝てば次はタイトルマッチが間違いない状況ですが、先のことは考えず、イリマ・レイ選手との試合に集中しています。とにかくベストで臨めるコンディションをつくって、必ず勝ちます!
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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW