∞転び八起き。“闘うフリーター”所英男の脱力人生(中編)【「気まぐれVITUP!」インタビュー】




 「田中さんにお礼を言いたいですけど…」

——田中選手とは、それなりにお話を?

「いえ、お会いしたというだけで、お話はできていないんですよね…。田中さんと言えば、田中さんにサインをしていただいたプロレスカードにまつわる話が一つありまして。白洋舎時代の話なんですけど、そこのアルバイトの子がプロレス好きで、その子に対して僕が何かを言ったかで仲が悪くなった時期があるんです。その子に『ごめん』と謝る時に、そのサイン入りのカードを渡して仲直りをした記憶がありますね」

——田中選手のサイン入りカードのおかげで、仲直りできたんですね。

「はい。なので田中さんにお礼を言いたいですけど、実際にお会いしたら緊張して話ができないかもしれないですね(苦笑)」

——アマチュア・バトラーツの後に山本喧一さん率いるパワー・オブ・ドリームに入会されました。

「そこからは仕事が終わったらジムに行って、そして山本さんの長い話を聞いているうちに終電を逃して歩いて帰るという感じです(笑)。それが21歳くらいの時で、自由が丘の横の奥沢ってところにジムがあったんですけど、そこから当時住んでいた下丸子までしょっちゅう歩いて帰っていました」

——格闘技の下地がなかったにも関わらず、そこから頭角を現すまでが速かったですよね。

「タイタンファイト、コンテンダーズ、リングスとかに出させてもらっていました。ただコンテンダーズはよくて引き分けで負けばっかりでしたし、ZSTに出るまではプレミアムチャレンジで矢野卓見さんに勝ったくらいだったと思います。振り返ってみたら今成正和さん、矢野卓見さん、門脇英基さん、中原太陽さんとか強い相手ばかりで勝てるわけがなかったんですけど…」

◆闘うフリーターが誕生