Q.体の衰えを感じます。どんなトレーニングをするべきですか?【バズーカ岡田にきけ 第18回】




これからボディビルを始める初心者から、大会出場もあるベテランまであらゆるボディビルダーの悩みに骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。今回は、ちょっと年齢を重ねてきた方なら、気になる人が多いであろう質問です。

大きな筋肉を鍛えることが効果的です

“体の衰え”というのが何を指しているのかは個人差があると思いますが、年齢とともに衰えを感じやすいのは足腰の筋肉と、心臓などの循環器系です。例えば「最近、駅の階段を上がると息切れがする」というのであれば、足腰と循環器のどちらもが衰えてきている可能性があります。

そのどちらにも効くトレーニングという意味では、足腰の大きな筋肉を鍛えるメニューですね。具体的に言うと、スクワットやランジ、デッドリフトなどでしょう。大きな筋肉というのは、それだけ多くの血流を必要とします。ですから心臓もそれだけ多くの血液を送り込もうとして仕事をするので、足腰と同時に循環器も鍛えられるのです。

基本的に心拍数が上がるようなメニューは、循環器を鍛える効果があります。その意味ではベントオーバーロウイングやクリーン、スナッチなども効果的と言えるでしょう。ただ、心拍数が上がるということは、それだけハードなメニューであることも意味しますので、筋力が衰えてきている人がいきなりやるのはハードルが高いかもしれません。そういうときにおすすめなのが、インターバルの時間を短くして、心拍数を高く保つという方法です。

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例えばスクワットを1セットやったら、できるだけインターバルを短くして違う部位を鍛えるメニュー(例えば腹筋やベンチプレスなど)をやる。この方法ならマシンを移動する時間がかかる程度で、すぐに次のメニューを行えます。負荷はあまり大きくなくても構わないですし、自重でも十分にできます。例えばプッシュアップを20秒くらいやって、そのまま腹筋→その場もも挙げ→またプッシュアップ、というようにサーキットトレーニングにしても効果的です。1セットの回数は10〜15回でも十分です。大切なのは心拍数を上げた状態を維持することです。

ただ、こうしたトレーニングは、本当に筋力まで衰えてしまってからはじめるとキツイものですし、体力を取り戻すのに時間もかかります。おすすめしたいのは、そこまで衰えないように普段から少しずつでいいので、運動やトレーニングを持続することです。若い時に運動していた人でも社会人になって仕事が忙しくなってくると、体を動かさなくなってしまう人が多いですが、忙しくても週に1回でも運動やトレーニングをしていれば、衰えるスピードを遅くすることができます。ジムに行って筋トレをするのでもいいですし、ランニングでも構いません。フットサルのようなスポーツでもいいでしょう。何か趣味で続けられる運動を見つけておくと肉体の衰えは大きく遅らせることができます。

岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。16年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『2週間で腹を割る!4分鬼筋トレ』(アチーブメント出版)『バズーカ式【超効率】肉体改造メソッド』(池田書店)など著書多数。
バズーカ岡田オフィシャルブログ