Q.筋トレでメンタルも鍛えられますか?【バズーカ岡田にきけ 第21回】




これから筋トレを始める初心者から、トレーニングを日常生活に取り入れている人まであらゆる悩みに骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。今回は筋トレがメンタルに与える影響について。

鍛えられます。科学的にも経験的にも実証されています

筋トレをすることで気分をポジティブにするホルモンが分泌されることは、研究の成果から実証されています。ですから、気分が落ち込んでいる時に筋トレを行うことはメンタルにも好影響があります。この連載の第8回で、疲れている時もトレーニングをするべきと書いたのは、そういう意味も含んでいます。

また、ホルモンの分泌という科学的な話だけでなく、筋トレは困難に打ち勝って壁を突破するという体験の連続なので、その経験が心を強くするという意味も大きい。トレーニングは10回挙げられたものを11回挙げられるように、50kg挙げられていたものを52.5kgにするという経験を積み重ねて成長していくものです。もちろん、記録が停滞して重量も回数も伸び悩むこともあります。ただ、そこで諦めずに「あと一歩」「あと一回」と自分を追い込んだ者だけが、その壁を突破できるのです。

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こうした経験は実社会においても「もう一歩」とがんばれるメンタルを作る、心を強くすることにつながります。そういう意味での心の成長のほうが、ホルモンの分泌よりも私は大きな意味を持っていると思います。壁にぶち当たった時に、「まだできる」「もっとできる」というデカイ心を持てるかどうかが、デカイ筋肉を作っていくのです。そこでクスリに頼ってしまっては、筋肉は大きくなるかもしれませんが、心はデカクなりません。そういう考え方、思考を持てるかどうかが大切です。

つらくても「あと一回」と追い込んでいけば、その壁を乗り越えることができます。そうやって困難に打ち勝って自分を成長させる体験を、自分が好きなことでできるというのが筋トレの大きな魅力ではないでしょうか。

岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。16年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『2週間で腹を割る!4分鬼筋トレ』(アチーブメント出版)『バズーカ式【超効率】肉体改造メソッド』(池田書店)など著書多数。
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