人生に新たな刺激を!
突然ですが、想像してみてください。
ステージに立ち、ポーズを取っている自分。
審査員たちに自分の体をまじまじと見つめられ、採点されるという状況。
「なんだかゾクゾクする」
「興奮する」
「ちょっと恥ずかしいけど、イヤな気はしない」
そんなふうに感じた人には、人生の新たな刺激となるかもしれない体験を提案します。
普通に生活していると、たくさんの人たちの前で日頃の成果をアピールする機会というのは意外とないものです。しかし、トレーニーは誰でも「コンテストに出場できる」「選手になれる」権利を平等に持っているのです。
「コンテスト」と言うと、敷居が高く、「選ばれた人たちだけが出場するもの」というイメージを抱かれがちですが、ジム通いを続けている人、またトレーニングに興味を持っている人にとっては、そこまで遠い世界の話ではありません。というのも、一昔前までは肉体美を競うコンテストはボディビルしかありませんでしたが、現在は初級者・中級者でもチャレンジできるようなさまざまな種類のコンテストが開催されています。ジョギングを趣味としている人がマラソン大会に参加するような感覚でコンテストを楽しめる時代になったのです。
多くの視線が集まる中で、自慢のパーツ肉体を披露できるという非日常的な快感がそこにはあります。SNSでいうところの「いいね」を、リアルの世界でリアルに感じ取ることができます。
身長や体重による階級分けはありますが、「何歳以上の人は出られません」といった年齢の上限はありません。年齢も職業もトレーニング歴も異なる人たちと同じステージで、同じ選手として競え合えるところもコンテストのおもしろさの一つです。
日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)が実施しているコンテストには「男子ボディビル」「女子フィジーク」「男子フィジーク」「ミスボディフィットネス」「フィットネスビキニ」などがあります。今回は、世界ボディビル・フィットネス連盟に準じたルールでコンテストを開催しているJBBFのカテゴリー分けに沿って話を進めていきましょう。
最近人気を集めているコンテストに「フィットネスビキニ」というものがあります。これは鍛えた女性のかっこよさを競う大会で、過度に筋肉質だったり、体脂肪を落としすぎていたりすると減点の対象とされます。SNSなどで見られる「筋トレ女子」の延長線上にあるようなカテゴリーと言ってもいいかもしれません。
「出場している女性たちのスタイルに憧れてトレーニングを始めるようになり、自分もコンテストに参加するようになった」
フィットネスビキニの選手たちの口からよく聞かれる言葉です。評価ポイントは、あくまでも健康的で、女性的であること。フィットネスビキニはトレーニングそのものの入り口にもなっていて、またステージに上がることで自分に対する自信と喜びを覚える人も多いようです。
そのフィットネスビキニよりも筋肉量が求められるコンテストが「ミスボディフィットネス」。こちらはボディビルとフィットネスビキニの中間に位置するようなカテゴリーで、体脂肪の少なさも評価の対象とされています。
健康的な筋肉美を競い合う
「ミスボディフィットネス」の男性版と言えるのが「男子フィジーク」で、こちらも年を追うごとに出場者が増加し、人気種目となっています。サーフパンツ姿で、主に上半身の肉体美を競うのが特徴で、あのボディビルの小さなパンツを履かなくてもいいという部分も精神的ハードルの緩和につながっているようです。近年人気を集めているベストボディ・ジャパンやサマースタイルアワードなども、フィジーク系のコンテストと言えるでしょう。
少しややこしいのが「女子フィジーク」。こちらは「男子フィジーク」の女子版ではなく、「女子ボディビル」の名称が変更されたもの。つまり、「男子ボディビル」の女子版です。同じ「フィジーク」という名称がつけられていますが、「男子フィジーク」と「女子フィジーク」は、まったく異なる競技ということになります。
まとめると、このような感じになります。
次回からは各競技について、もう少し詳しく説明していきたいと思います。
文/藤本かずまさ