美尻女王スペシャルトーク①【岡部友&アミン・カレダ】

やり遂げた満足感で体が満たされました

去る7月25日、SPORTEC内の特設ステージにて、健康で女性らしい美しさを競う『FITNESS ANGEL』が開催された。日本初の美尻コンテストとして大きな注目を集めた同大会を主催した人気パーソナルトレーナーの岡部友さんと、見事に優勝を果たしたアミン・カレダさんに、大会のこと、そしてお尻のトレーニングについて語ってもらった。

 
「今までのフィットネスの大会と、ミスコンの大会のちょうど真ん中くらいの大会をやりたいと思っていたんです」

こう語るのは大会主催者の岡部友さん。近年はトレーニングに励む女性が増え、いろいろなコンテストも増えている。女性のトレーニング人口が増えることは喜ばしい一方で、本来健康的なものではあるはずのフィットネスが、体にダメージを与えているのではないかと気になっていたという。

男性と女性は動物的に違うと私は思っているのですが、女性がフィットネスの大会に出ると、審査の基準は筋肉を見せること。そうなると筋肉を見せるために脂肪を落とすので、あまりに過激なことを何年もしてしまうと月経不順になったり、骨がボロボロになったりするんです。もちろん絞ってもそういうことが起きない女性もたくさんいますが、体を崩した先に、彼女たちが求める理想的な体があるかというと違うことも多々あります。コンテストのための体づくりではなく、あくまでも自分自身と向き合うための通過点であるようなコンテストをやりたいなと思って『FITNESS ANGEL』を開催しました」

トレーニングの本来の目的は健康になることであり、美しくなることであるはずなのに、いつしかコンテストでいい結果を残すために体に過剰な負荷を与えてしまうケースが多く見られるようになった。こうした状況への危機感もあって、健康で女性らしい美しさを競う新たなステージをつくったというわけだ。

FITNESS ANGELを主催した岡部友さん
第1回『FITNESS ANGEL』優勝者のアミン・カレダさん

第1回『FITNESS ANGEL』優勝者のアミン・カレダさんがトレーニングを始めたきっかけは、まさしく健康のためだった。

「女の子って華奢なほうがカワイイみたいな感じがあるじゃないですか。食べないダイエットをしたり、トレーニングを始めるまでは食べることに罪悪感がありました。でも、人間ドッグに行ったときに、『運動をしたほうがいい』と言われて、健康的になりたいなと思ってトレーニングを始めたんです」

健康のためにトレーニングを始めてわずか1年で優勝という結果を出したアミンさんだが、コンテストありきという考えはなかった。

もともと内向的な性格で初対面の人と話したり、人前に出たりすることが苦手だったこともあって、体と併せてメンタル面も鍛えたいという気持ちがあった。そんな性格だからこそ、当初は『FITNESS ANGEL』に出場するつもりはなく、あくまでもトレーニングを学ぶキャンプに参加するというスタンスだった。

『FITNESS ANGEL』は応募者全員が「Peach Camp」と名付けられたトレーニングキャンプに参加。ここで岡部さんからお尻に効果があるトレーニングをいろいろと学ぶことができる。アミンさんがキャンプに参加した最初の目的は、トレーニングを学ぶことであり、キャンプ参加者から選ばれる20名のファイナリストに選ばれるとは想像していなかった。

次回の『FITNESS ANGEL』も構想中という岡部さん

このキャンプを経て20人のファイナリストに選ばれてからは、ウォーキングやポージングの練習を開始。しかし、コンテストに出ることが頭にイメージできなくて、7月に入るとあまりの不安から食欲が落ちてしまい、細くなってしまったことで大会出場は難しいかもしれないと申し出た。このとき、主催者でありアミンさんの師匠でもある岡部さんは、「それなら出なくてもいい」と答えた。

「人前に出たり団体行動が得意ではなかった彼女がエントリーしたこと自体が自分の殻を破った第一歩だから、『無理して出なくてもいいよ』と言いました。やれるところまでやって、それがリハーサルまでだったら、それでもいいと言ったんです。ただ、練習を100パーセント本気でやれば、その過程が自信につながるから、そこは本気で練習するってところはしっかりやろうって話しました。その過程で一緒に練習する仲間ができるし、むしろアミンちゃんにそういう仲間をつくってほしかったんです」

一度は心が折れかかったものの、練習を重ねるうちに「ここまでやったから、やるだけやってみようと思いました」と、開き直ったアミンさんは土壇場で出場を決意。人と比べるのではなく、あくまでも自分自身と向き合って最高のパフォーマンスを披露した結果、見事に優勝の栄誉を勝ち取ったのだ。

「とにかく全部終わった後の達成感がすごく大きかったです。それは優勝したからではなくて、やり遂げたことに満足できたんです」とアミンさん。肉体の美しさに加え、内面の充実が最高の結果につながったこと間違いないだろう。

トレーニングを始めて1年で『FITNESS ANGEL』で優勝したアミンさん

『FITNESS ANGEL』は岡部さんが考えていた通り、健康美を競うコンテストとなった。その証拠にバックステージでも参加者は普通に食事を摂り、参加者同士で一緒に写真を撮ったりと、コンテストが終わったあともみんなが一緒にショーをつくった仲間としてつながることができた。

「初めてのコンテストでみなさまにご迷惑をおかけすることがたくさんあったと思います。でもANGELのファイナリストがコンテスト当日、終わってしまうのが悲しいとみんなが言ってくれたこと、そのあとも交流が続くほど仲間になってくれたこと、コンテスト前日に生理がきたと体が健康状態にあることを証明してくれたと言ってくれたことが私の中での成功です。
今回、ファイナリストが心から楽しめば絶対お客様に伝わるという想いでショーをつくりました。ショーを見て楽しそうだなと思っていただけていたら、それはファイナリストが本当に楽しんでいたからです。年に1回はこの大会をやりたいし、よりパワーアップしていきたいので、今はいろいろと考えを練っているところです」

トレーニングに励む女性のための新たな舞台を生み出すことに成功した岡部さんの視線は、すでに次なるステージへと向けられている。
 
※次回はお尻トレーニングについてのお話をお届けします。

(この項続く)

取材・文/佐久間一彦
写真/神田勲