お雑煮と超朝トレ【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第38回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。突然ですが、好きな食べものはなんですか? どこかで見た日本人の好きな食べ物ランキングでは、トップ3が寿司、カレー、ラーメンでした。納得のラインナップです。

私も好きな食べ物を聞かれたら「寿司」or「焼肉」と答えています。しかし、本当に一番好きな食べ物は違います。私の好きな食べ物ランキング第1位は「お雑煮」です。正月が近づいてきて、お雑煮が食べられると思うと年末の多忙な仕事も乗り切れます。

ではなぜ本当のことを言わないのか? 理由は簡単。恥ずかしいからです。好きな食べ物は「お雑煮」って特殊な感じでちょっと恥ずかしくないですか? いろいろ理由を聞かれるのも面倒なので、「寿司」「焼肉」と共感を得られそうなものをチョイスして答えています。ここでカミングアウトしてしまった以上、これからはもっと「お雑煮ラブ」を公言していきます。私のように本当はお雑煮が大好きなのに、「正月かよ!」というツッコミを恐れて公言できていない“ゾウニスタ”(=お雑煮好きな人のこと)たちもいるはずです。ゾウニスタの皆さん、正月も近いことですし、今こそお雑煮好きを公表しましょう。

お雑煮が好きなのは、珍しさにも理由があるかもしれません。年に一度、正月にしか食べないから常に気持ちが新鮮で、マンネリがないのです。もちろん、寿司や焼肉も好きですが、2~3週続くと食をそそられなくなります。もしかしたらお雑煮も毎週食べていたら新鮮味がなくなり、あまり美味しく感じなくなるのでしょうか。

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さて、マンネリは食べ物だけでなく、トレーニングにとっても大きな敵です。同じトレーニングばかり繰り返していると、マンネリ化して筋肉への刺激がなくなり、大きな効果が得られづらくなってしまいます。メニューを適度に変えて刺激を変えることで、マンネリを防ぐことができます。

メニューだけでなくジムに行く時間を変えることも、脱マンネリに効果があると感じました。第31回のコラムで紹介したように、普段は朝8時からジムに行っています。今週は多忙で8時からジムに行って勤務時間が短くなるのが嫌だったので、5時にジムに行き8時前から出社できるスケジュールを組みました。朝5時のジムはいつもとは景色が違いました。

今の時期、朝5時は周りも真っ暗。新聞屋さん以外人影もなく、当然ジムにも誰もいないだろうと思っていました。ところが着替えを終えてロッカーを出ると、汗だくで息を切らした人の姿が! さわやかに「おはようございます」と挨拶してもらったので、少しだけ言葉を交わします。聞けば1時間ほどランニングをしてシャワーと着替えのためにジムに戻ってきたとのこと。朝はランステ替わりにジムを利用しているそうです。その人は一度家に帰って着替えて朝食を摂ってから出勤すると言っていました。ジムと時間はこういう利用の仕方もあるのですね。

それからしばらくはジムに一人。黙々とトレーニングをしていると、今度は外国人カップルがやってきました。普段は誰もいない時間なのでしょう。私を見て少し驚いた様子でしたが、日本語で「おはようございます」と挨拶してくれました。朝6時前から筋肉が張って変なテンションだったため、レスト中に少し会話。お二人は夫婦で週に2~3回出勤前にトレーニングをしていると言っていました。いいですね。末永くお幸せに。

そして仕上げに5㎞ほど走ってからストレッチをしているときに、エプロン姿のおばちゃんがやってきました。掃除のおばちゃんかな?と思いきや、おもむろに腹筋を開始。足はサンダルでウェアはエプロン。会員以外は入れないはずなので、エプロンおばちゃんも会員のはずですが、一言言わせてください。

「誰だよ!」

恐怖を感じたため、おばちゃんとは会話をすることなく、すぐにその場を去ってシャワーを浴びに行きました。5時から7時くらいまでの時間で会ったのは、普通の日本人男性が一人と、外国人カップルとエプロンおばちゃんの4人。朝5時のジムはいつもと違った景色で刺激的でした。眠いけど充実したトレーニングができた気もします。

最後にもう一つ発見がありました。8時からの朝トレの日はランチの後、夕方から猛烈な睡魔が襲ってきます。しかし、5時からの超朝トレは昼前からすでに眠くなります。夜まで長い……。というわけで、超朝トレはお雑煮みたいに年1回でいいかなと思ったしだいです。

お雑煮と超朝トレは、年1ぐらいがちょうどいい。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。