空手界最大級の育成プロジェクト。富士山麓で行なわれた新極真会の「ユース・ジャパン強化合宿」に密着!①

美しい富士の山を眺望できるここは、山梨県南都留郡鳴沢村にある「富士緑の休暇村」という宿泊施設です。
この地で、NPO法人全世界空手道連盟新極真会の若手年代育成プログラムの一環として、11月16日(金)~11月18日(日)にかけて「ユース・ジャパン強化合宿」が行なわれました。
これまで数多くの一流選手を輩出してきた新極真会。今回はその強さの秘密に迫るべく、若手選手たちの合宿に密着してきました。

今年で第14期目を迎えるユース合宿

今からさかのぼること13年前、第1期ユース・ジャパン強化合宿が行なわれました。
実施に際して掲げられたのが、「ユース・ジャパンから世界チャンピオンを輩出する」という壮大な夢です。全国から選抜された47名の精鋭が一堂に会し、第1期ユース・ジャパン強化合宿は行なわれたのでした。

それから10年後の2015年。
“空手オリンピック”とも称される4年に一度の祭典・第11回全世界空手道選手権大会の日本代表選手団は、ほとんどがユース・ジャパンの出身者で占められました。同大会で優勝をはたし見事に男子無差別級の世界チャンピオンとなった島本雄二選手も、ユース・ジャパンの出身です。
「世界チャンピオンを輩出する」という壮大な夢を、10年かけて実現させた瞬間でした。

(写真右)2015年の世界大会で男子無差別級のチャンピオンとなった島本雄二選手

全世界空手道選手権大会では、1回から11回まで空手母国の日本が王座を守り続けています。この合宿に参加する強化選手たちは“誰か”ではなく“自分”が、「王座死守」の伝統の継承者となるべく、“心・技・体”をまんべんなく稽古し鍛えていきます。

世界最大級のフルコンタクト空手団体「新極真会」

新極真会は、大山倍達総裁が創始し完成させた「極真空手」の流れをくむフルコンタクト空手団体です。フルコンタクト空手は、直接打撃制によって行なわれる空手を指します。トップ選手たちの試合は防具なしの素手素足で行なわれ、女子やジュニア選手はサポーターやヘッドギアなど防具の着用が義務づけられており、安全面にも配慮されています。

そんな中、2013年にフルコンタクト空手団体が大同団結し発足したのが、「全日本フルコンタクト空手道連盟(JAPAN FULLCONTACT KARATE ORGANIZATION)」、通称JFKOです。JFKOは国内20万、世界2000万人の競技人口を誇るフルコンタクト空手のオリンピック正式種目化に向けて活動するフルコンタクト空手界初の統括組織で、2018年12月現在、300を超える団体が加盟しています。その中で中心的な役割を担っているのが、世界99ヵ国が加盟する「新極真会」です。JFKOの理事長も、新極真会・緑健児代表が務めています。

新極真会代表・緑健児氏

2020年東京オリンピックの正式種目にこそ選ばれませんでしたが、日本のお家芸である「フルコンタクト空手」が正式種目となる日もそう遠くないかもしれません。

Youth JapanなくしてAll Japanなし
若手の育成に力を入れる「新極真会」

そんな新極真会の若手育成プログラムとして、毎年11月ごろに開催されるのが「ユース・ジャパン強化合宿」です。今年は小学5年生から19歳までの407名が日本全国から集結しました。

合宿の最初に行なわれた結団式では、選手強化副委員長で日本代表監督でもある奥村幸一師範が、「日本代表強化合宿のつもりで、心して3日間を過ごすように」と檄を飛ばしました。奥村師範の言葉を受け、参加者たちの表情がいっそう凛々しくなります。

結団式が終われば、いよいよ稽古開始です。
次回は新極真会の強さの秘密に迫るべく、合宿の魅力とトレーニング内容をお届けします。

取材・文/須﨑竜太 写真/神田勲