テクノスポーツ・HADOを初体験【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第54回】

VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?

先日、AR(オーグメンテッド・リアリティ=拡張現実)を駆使したテクノスポーツ「HADO(ハドー)」を体験してきました。連載第22回では、VR(バーチャル・リアリティー=仮想現実)を利用した体幹トレーニングを紹介しましたが、今度はARです。

最初にVRとARの違いを簡単に説明しておきましょう。VRは「仮想現実」と訳されるように、デジタルを使って現実とはまったく別の異次元の世界に入ることです。以前紹介したイカロスでは、VRゴーグルをつけて仮想の世界で空を飛びながらバランスをとることで体幹を鍛えていました。一方のARは「拡張現実」と訳されます。このARを用いた商品の代表作といえば、少し前に大ヒットした「ポケモンGO」。スマホを通して現実の世界を歩いていると、実際に遭遇したかのようにポケモンが現れるという世界です。VRは現実世界から仮想のデジタルに入り込んでいく技術で、ARはデジタルが現実の世界に入り込んでくる技術と考えればいいかと思います。

HADOはこのARを駆使して、とんでもない世界を実現させました。子どもの頃、みんなが憧れた魔法を使えるようにしてしまったのです。頭にはヘッドマウントディスプレイ、腕にはアームセンサーを装着。そして腕を突き出せばエナジーボールと呼ばれるビームを発射し、腕を下から上に振り上げればシールドでバリアをはって相手の攻撃を防ぎます。ヘッドマウントディスプレイを装着しても、見ているのはバーチャルの世界ではなく現実の世界。ここがVRとの大きな違いです。ただし、ヘッドマウントディスプレイを通してプレーすると、エナジーボールが出たり、シールドが出たりという拡張が、テクノロジーによって現実化されるわけです。こう聞くと、単なるゲームと思うかもしれませんが、テクノスポーツと呼ぶように、実際はかなりハードな動きを要求されます。

アームセンサーではパラメーターを設定します。黄色がエナジーボールのスピード、緑がエナジーボールのサイズ(スケール)、赤が技を出すためのエネルギーチャージのスピード、青がシールドの強さです。合計10ポイントをそれぞれに振り分けて自分なりのパラメーターを設定します。強い攻撃を出すためにはスピードとサイズを重視する、何度も攻撃をできるようにチャージを速くする、守り重視でシールドを強化するなど、自分の戦い方に合った振り分けをします。サッカーのフォーメーションを例えるように、パラメーターの数字を3‐4‐2‐1というふうに呼びます。

装着するセット
アームセンサーでパラメーターを設定

実際のHADOの試合は3対3で行なわれ、エナジーボールを発射して相手の前にある4つの羽をすべて撃ち落とすと1ポイント。制限時間の80秒以内により多くのポイントを獲ったチームの勝利となります。羽を撃ち落とすためにエナジーボールを発射し、それを防ぐためにシールドで守ったり、動いてエナジーボールから逃げたり、かわしたりするのです。3対3だと休む間もなく、相手のエナジーボールが飛んできます。ボールを6個ぐらい使ってドッジボールをやっているような感じといえば、そのハードさが伝わるでしょうか。次から次へとボールが飛んでくるため、それを必死に動いてかわしつつ攻撃もする。最初はたった80秒と思っていたのですが、絶えず動き続けるため80秒でもかなり息が上がります。

画面のように目の前にエナジーボールが飛びかっている

ちなみに私は昨年のワールドカップMVPのBIG-U選手と2対1のハンデ戦をやらしてもらいました。シールドをつくっても次から次へと飛んでくる攻撃で破壊され、滅多打ちにあってしまいました。世界への道は遠いですね。

滅多打ちにあいました

HADOはゲーム性を楽しめつつも、相当エネルギーを消耗するハードなスポーツです。現在、日本では全部で9か所、プレーできるスポットがあります。春から何か運動を始めてみようかなと考えている人には、楽しくてめいっぱい体を動かせるHADOは、オススメの一つです。

 

HADOについてはこちら

 

 

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。