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「やり抜く」ことで得られるもの【髙田一也のマッスルラウンジ 第8回】

タレントや会社経営者など多くのクライアントを指導してきたパーソナルトレーナー、髙田一也が「仕事」と「トレーニング」、「社会」と「トレーニング」の適切な関係性を探るこの連載。今回はコンテストに出場するトレーナーの心構えについて。

忙しくてもコンテストに出るのがプロの矜持

フィットネス業界はコンテストシーズン真っただ中にあります。大会にエントリーしている人のなかには、仕事とコンテストの両立に苦しみ、出場を辞退すべきかどうか迷った人もいるかもしれません。ただ、トレーナーは体づくりのプロフェッショナルです。トレーナーが「忙しいから」という理由で出場を辞退してしまうのは、フィットネス業界に携わる者の姿勢としてどうなんだろう、と思います。

アマチュアスポーツで活躍している選手たちは、多くの場合、普段は企業などで仕事を持っていることでしょう。彼ら、彼女たちは仕事をこなしながら練習に励み、試合に向けての調整を続けているのです。「忙しいから試合に出られない」なんてことも言っていられません。

ボディビルの世界でも、仕事とトレーニング、家庭とトレーニングに折り合いをつけて、そこを乗り切って優秀な成績を収めている人たちがいます。一般の人たちがやり切っていることを、体づくりのプロであるトレーナーができない。そんなことはあってはならないはずです。

自分はトレーナーだから、忙しいことを言い訳にしてはいけない。コンテストに出場していたころ、僕はそう自分に言い聞かせていました。周りの人たちはみんな、自分よりも何倍も努力している。あえてそう思い込むようにして、自分の中の甘さを打ち消していきました

人生の勝負をどこに置くか。仕事でも普段のトレーニングでもコンテストでも、僕はすべてにおいて勝ちたかった。だったら、そのすべてをやり抜けばいいんだと、そう思いました。忙しいからトレーニングができない。トレーニングをしたいから仕事はほどほどにとどめておく。どちらかに偏ってしまうのではなく、両方をやりきったほうがかっこいいし、またそれは人生としても正しい気がします

毎日を同じようなペースで過ごし、その延長線上に「コンテスト」がある。そういった意識で取り組まないと、仕事でも大会でも勝ち上がっていくことはできません。トレジスのトレーナーでボディビルコンテストにも出場している大石(将寛)とも、こういった話をよくします。仕事を一切疎かにすることなく大会でも入賞を続けている大石には頼もしさを感じます。

1日は24時間しかありません。私は仕事と仕事の間に20分ほどの空き時間ができたら、それをトレーニングに活用していました。また、短時間で集中して行うトレーニングは体にとって最大限の効果を生みました。いかにしてスケジュールを立てて、いかにして時間を捻出していくか。忙しいなかで大会に向けての調整を続けることで、時間の使い方についてはすごくいい勉強ができました。「時間があればもっとすごいことができるんじゃないか」と思ったこともありましたが、時間があったらあったでその使い道は難しくなります。タイトなかでやり抜くことを覚えたことで、生涯にわたって役立つものが学べたような気がします。

高田一也(たかだ・かずや)

1970年、東京都出身。新宿御苑のパーソナルトレーニングジム「TREGIS(トレジス)」代表。華奢な体を改善するため、1995年よりウエイトトレーニングを開始。2003年からはパーソナルトレーナーとしての活動をスタートさせ、同時にボディビル大会にも出場。3度の優勝を果たす。09年以降はパーソナルトレーナーとしての活動に専念し、11年に「TREGIS」を設立。自らのカラダを磨き上げてきた経験とノウハウを活かし、これまでに多数のタレントやモデル、ダンサー、医師、薬剤師、格闘家、エアロインストラクター、会社経営者など1000名超を指導。その確かな指導法は雑誌やテレビなどのメディアにも取り上げられる。

TREGIS 公式HP