アシュタンガの練習スタイルがあっていた
――HANAEさんがアシュタンガヨガに出会われたのは2010年ころと伺いました。
HANAE ヨガを始めたのは2006年ころ、パワーヨガからだったのですが、すぐにハマって一生ヨガをやりたいと思いました。なので、始めて間もない段階でTT(ティーチャーズ・トレーニング)のことを考えていましたね。そのときたまたま、東京にもまだ2つか3つしかなかったTTを学べるスタジオに通っていて、周りにもTTのトレーニングをしている人が多かったんです。そこでTTを始めて今の師のクランティ先生に出会い、自分の動きを見てくれて、「アシュタンガをやってみたら」と勧められました。ちょうど先生が教えていたので、そこから始めました。
――始められてどうでしたか。
HANAE 小さいころからバレエをやっていたので、体を動かすこと自体はすごく好きだったんです。ヨガを始めた時期は出産と子育てで「動く」っていうことをセーブしていて動きたくて仕方なかったので、パワーヨガとかアシュタンガヨガとか苦手意識を持つ人が多いと思うんですけど、私は「やっと動ける」って思って嬉しかったですね(笑)。もともと体は柔らかくて、自分の柔軟性に関して「ここまでなんだな」って勝手に思っていたところがあって。でもアシュタンガをやってみたら、「まだ体が変われる」「今のこの柔軟性ではまだ足りない」ということがわかったんです。私は前屈はすごく得意なんですけど、小さいころに首を痛めているので後屈に関する柔軟性はすごく苦手で。アシュタンガは動く順番が決まっていて、それをクリアしないと次の順番がもらえないんですよ。なので好きなことばっかりやるというわけではなくて、自分の苦手なものにも向き合わなきゃいけない。決まった順番をできて、先生が「ある程度ポーズを取得したね」って判断をしてくれたら次のポーズに行けるというものなので。
――他のヨガはどうですか
HANAE 陰ヨガなどはホールドが長いですよね。私は関節が柔らかいので行きすぎちゃうというか、伸びすぎちゃうんですよ。そういうこともあって、今の自分には動くスタイルのほうがあっているのかなと思います。練習のスタイルでも、ずっとやっていたバレエでは、10歳の子でも40年50年のキャリアがある人でも絶対バーレッスンから始めるんです。いつも決まったルーティーンでスタートするところで、アシュタンガの練習スタイルは私にすごくあっていましたね。
――普段はどのように練習されていますか
HANAE 毎朝1時間半から2時間、練習しています。毎日同じ時間に同じことをやっているので、昨日との違いとか、1週間前との違いとかもわかります。今日動いてみてここの調子が悪かったけど、昨日いっぱい歩いたからだなとか、なんか重いなと思ったらあれを食べたからだとか、自分の状態がすごくわかる。そうしたら今度はそういったものを食べるのやめようと思えたり。自分もいい状態を把握できて、そこに自分を持っていけるっていう良さがアシュタンガはすごくあるような気がしますね。
――お忙しい中でも練習は欠かさないんですね
HANAE そうですね。寝るのが大好きで睡眠は絶対取りたいタイプなんですけど、昔よりも寝て回復するというよりは、練習でエネルギーをもらってそこで元気になるという部分が大きいです。10年以上毎朝練習していて練習することが体に染みついているので、練習することで1日のパワーをもらっていますね。もちろん、「今日つらい」とか、できることなら休みたいとか思う日もあるんですけど(笑)、アシュタンガって週に6日練習をするっていう決まりがあって、それを生徒さんに言いながら「でも本当は私はやっていません」とは言えないので、ある程度は許容範囲はあると思うんですけど、そういうことを守るっていうのは大事だと思っています。
――普段の生活にはどのようにヨガを取り入れられていますか。
HANAE アシュタンガだけじゃなく、ヨガが他のフィジカルのトレーニングと違うのって、やっぱり呼吸によってマインドとか趣向とか、体の中にあるものが変わるっていうところなんですよ。だから、生活の中で自分がどういう気持ちの時にどういう呼吸をしているかがわかる。怒っているときは呼吸が浅くなりますよね。リラックスしているときは穏やかですし。そういったことを気にするようになったといいますか、以前は何も意識していなかったんですけど、どうやったら自分が良い状態でいられるかということを探すようになりましたね。
<この項続く>
取材・文/安 多香子
日時/7月25日(火)10:30~12:00
場所/東京ビッグサイト 東1~3ホール
受講料/¥4,000(事前) ¥5,000(当日)
【お問い合わせ】
SPORTEC事務局 03-6273-0403
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