【読書案内】「挫折」よさらば!『大人女子のための続く筋トレ』




忙しい大人女子が筋トレを続けるためのコツとは?

 

 最近は、食事制限によるダイエットに代わって、筋トレで理想の体形を目指す女性が増えている。“筋トレ女子”の言葉が定着しつつあるほどだ。
「これはとてもうれしい現象です。なぜなら、私は長年、『女性にこそ筋力アップのトレーニングが必要』と考えてきたからです」
 そう語るのは、『大人女子のための続く筋トレ』(学研プラス刊)の著者で、ボディデザイナーの森俊憲さん。自身のトレーニング経験に基づき自宅でできる筋トレのメソッドを考案、オンライン上のフィットネスサービスでは、これまでに1万2000人以上への体形管理カウンセリングやパーソナルトレーニングを行っている。
 なぜ、「女性にこそ筋トレ」なのか。
女性のほとんどが“体重”だけで体型を管理しているため、“隠れ肥満”や“隠れメタボ”は、じつは女性のほうが多いのではないでしょうか。また、筋肉には重力に負けないように体のお肉を引き上げる効果や、基礎代謝アップの効果もある。シェイプアップやアンチエイジングを目指す女性にとって、最短距離の方法といえるのが筋力アップ、つまり筋トレなのです」(森さん)

© naka – Fotolia

 筋トレで体の変化を実感するには、最低でも2~3ヵ月、運動から長く遠ざかっていた人ならそれ以上、継続することが大前提。でも、この「続ける」というのが、なかなか難しいのはご存知のとおり。「女性のなかには完璧主義のあまり、少し空白期間ができただけで『今までの苦労がムダになってしまった!』と挫折する人や、すぐに結果が出ないことにがっかりして、フェードアウトしてしまう人も多い」という森さんの言葉に、ドキッとする人は多いはず。
 そこで、ここからは森さんの著書『大人女子のための続く筋トレ』のなかから、継続のためのコツを少しだけピックアップして紹介してみよう。

【筋トレ継続のコツ①】最初はハードルを思いきり下げる

 筋トレを始めるときは、テキスト本やネットに書いてある「この種目は○回×○セット」という指示に従いがちだが、体力・筋力は人それぞれ。しんどい、続きそうにないと感じたら、迷わず運動強度を下げるのが挫折回避のコツだそう。10回×1セットのところ、最初の週は2回×1セットでもOK。「一番重要なのは、『これなら続けられる』と、自分が確信を持てるということ」だからだ。
 継続のリズムがつかめてきたら、運動強度を少しずつ上げていく。その際は、セット数ではなく、1セットの回数を増やすのがオススメ。「10回×2セット」がラクにできるようになったら、「10回×3セット」ではなく、1セット15回を上限に「11回×2セット、12回×2セット」と増やしていくと、無理なく、段階的にレベルアップしていけるそう。

【筋トレ継続のコツ②】時短バージョンをもつ

「忙しくて筋トレの時間がなかなか取れない!」という人は、これを続けようと決めたスタンダードの筋トレメニューのほかに、忙しいとき用の時短バージョンをもつことがオススメ。たとえば、ふだん5種目やっているなら、そのうちの厳選した2~3種目の「時短バージョン」、また負荷の軽い2~3種目をピックアップした「ゆるめバージョン」など。
 決めたメニューに執着すると、それができないときに自己嫌悪に陥ったり、精神的ストレスが溜まったりしてしまう。自分のライフスタイルを想定して、いくつかのバージョンをもっておけば、「忙しい」を言い訳にすることもなくなるはず。
 また、パーツを単独で鍛えるのではなく、複合的に鍛えられるような種目を時短バージョンに入れておくと、より効率的なトレーニングができるそう。

【筋トレ継続のコツ③】小さな変化を見逃さない

 トレーニングへのモチベーションを持続させる特効薬は「効果を実感できること」と「周囲の反応」の2つ。「効いているな」という手応えを感じたり、まわりから「痩せたね」「キレイになったね」といわれたりすると、一層やる気に火がつく。
 とくに効果実感は重要で、「朝の寝覚めがよくなった」とか「歩いているとき、太ももの内側がすれなくなった」など、どんなにわずかな効果シグナルでも、それを感じるのと感じないのとでは、やる気の度合いがまったく変わってくる。
 日々、小さなプラスの変化を感じ取りながら、マイペースに淡々と取り組むこと。これこそが、筋トレを続ける秘訣なのだそうだ。

 このほかにも、『大人女子のための続く筋トレ』では、筋トレを続けられる人が実践している習慣や、厳選した超効率的筋トレ種目などが豊富に紹介されている。とくにダイエットや筋トレで挫折経験のある女子、「どうせ続かないから」と筋トレに二の足を踏んでいる女子は、ぜひ一読してみてはいかがだろうか。

森俊憲(もり・としのり)
株式会社ボディクエスト代表。
ネットを活用した独自のWEBシステムや専用アプリを開発し、受講者が自宅に居ながらマンツーマンの指導・支援を受けられるオンライン上のフィットネスサービスを展開。これまでに1万2000人以上への体形管理カウンセリングやパーソナルトレーニングを行う。企業向けの健康指導や講演、各種メディアの監修・モデル等幅広く活躍中。『へやトレ』(主婦の友社)など著書多数。近著は『女子の腹割プログラム』(日本文芸社)、『ふたりストレッチ』(クロスメディア・パブリッシング)。
Body Quest
・ボディデザイナー 森俊憲のブログ「Fitness Motivation

 


タイトル:『大人女子のための続く筋トレ』
発行元:学研プラス刊
著者:森 俊憲
販売価格:1,188円(税別)
ページ数:191ページ

文/藤村幸代