ここでまでは日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)のカテゴリー分けに沿って話を進めてきました。日本にはいくつかのボディビル団体が存在します。じつは一つだけではないのです。今回はJBBFという団体について解説します。
国内に4つほどのボディビル団体が国内にはあります。なかでも、もっとも長い歴史を持つのが日本ボディビル・フィットネス連盟です。オードリーの春日俊彰さんや角田信朗さんが出場しているのが、このJBBFの大会です。ボディビル界におけるJBBFは、演劇でいえば劇団四季、プロレスだと新日本プロレスのような立ち位置にいる組織。いわゆる「業界最大手」の団体です。
今では想像しづらいですが、1950年代の日本には、当時は力道山のプロレスブームとの相乗効果でボディビルブームが沸き起こっていました。ベースボールマガジン社が日本発のボディビル雑誌を発行したのが1955年。その創刊号の表紙を力道山が飾っていたことが、その当時のプロレスとボディビルの関係性を物語っています。
日本ボディビル連盟が誕生したのも、ちょうどそのころです。第1回目のボディビルコンテストが開かれたのが1956年。このころは東京の20ほどのジムが加盟しただけの小さな組織でしたが、1965年には関西を中心に活動していた別団体、日本ボディビル協会と合併。全国組織へと成長していきました。
1982年にはアーノルド・シュワルツェネッガーを輩出した国際ボディビル連盟(IFBB)に加盟。2013年には社団法人から公益社団法人となり、現在に至っています。オードリー春日さんのボディビルの師匠で、「筋の旅人」にも登場した鈴木雅選手もJBBFの選手です。ちなみに、日本にはボディビルのプロ団体はありません。60年以上の歴史を持つJBBFもアマチュア団体です。優勝しても賞金は出ません。その代わりというわけではないですが、メダルや賞状以外にも、協賛企業のプロテインがたくさんもらえます。
また、JBBFは日本オリンピック委員会の加盟団体でもあります。オリンピック競技ではないですが、JOCにも加盟しており、順位という形で勝敗もつき、ドーピングチェックも実施されています。「ボディビル」はたんなる筋肉マンコンテストではなく、ちゃんと一つの「競技」として成立しているのです。
文/藤本かずまさ