スクワットは腰を痛めそうで怖いです【バズーカ岡田にきけ 第28回】




これから筋トレを始める初心者から、トレーニングを日常生活に取り入れている人まであらゆる悩みに骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。今回はスクワットについて

体の声に耳を傾け、探っていくことが大事

「立つ」という動作には、足の幅や向き、重心の置き方、足首、膝、体幹、股関節などの動き、またそれらがどういったタイミングで動くかなど、無数のパターンがあります。まず重要なのは、その人の骨格にとって、どういったフォームが適しているかを把握したほうがいいでしょう。適していないフォームでしゃがむと、腰を丸めてしまったり、膝を前に突き出してしまったりするなどの問題が生じます。

ただ、自分に合ったフォームを見つけて、スムーズにしゃがめるからといって、お尻を鍛えたいのに、大腿四頭筋ばかりに効いてしまうようでは、「お尻を鍛える」という目的を達成できません。スムーズにしゃがめるフォームであり、なおかつそれが目的達成可能なフォームであることも大切です。

「腰を痛めそうで怖い」ということは、最初から腰を痛めてしまうスクワットを想定しているわけです。それは、その人にとって適していないフォームである可能性が高いです。腰を痛めそうならば、腰を痛めないフォームができるようになる、そしてそのフォームができるだけの体をつくるという準備をしなければいけません。

このフォームだとお尻に効く。でも、体が硬くてしゃがめない、腰に負担がかかる。そのような場合は、そのフォームができるように体の柔軟性や筋肉のコントロール能力を高めていくことが必要です。よく言われるのは、足首の硬さです。足首の柔軟性が乏しい人が深くしゃがむと、腰を丸めるフォームになり、腰に負担がかかります。

だから、まずは自分でいろいろと感じてみてください。自分の体の感覚は、自分にしかわかりません。このフォームで行うと足首が詰まった感じがするとか、腰が張ってくるとか。そういった体の声に耳を傾けながら実践していきましょう。スクワットには無数のパターンがあるからこそ、体の声に耳を傾け、探っていくことが大事です。

構成/プッシュアップ

岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。16年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『2週間で腹を割る!4分鬼筋トレ』(アチーブメント出版)『バズーカ式【超効率】肉体改造メソッド』(池田書店)など著書多数。
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