将来的には自分のスタジオを作って
ポールダンスを教えていきたい
――ポールダンスは小さい子どもがやれる環境はあるのですか?
坂井:キッズクラスができたのは、ここ2年ぐらいのことですね。私も今レッスンを受け持っているなかで、小学校3年生とか4年生の子も通い始めています。体操とか新体操みたいに小さいときから学べる環境がもっと増えたらいいなと思います。
――逆にダイエット目的などでお母さん世代の方がやることもできますか?
坂井:全然できます。ポールダンスって裸足で踊るか、すごく高いヒールで踊る場合もあるんですね。ヒールをはいてやるのはエキゾチックポールと言われるんですけど、女性らしさを出して行なうものです。ハイヒールで歩くという行為自体が女性ならではのものですし、エキゾチックポールで女性らしい仕草や動きを身につける。趣味程度で体を動かしたいという人がヒールをはいてやってみたらすごく楽しかったというのもあるし、裸足でいろいろな技を練習すればエクササイズになるし、入口はいろいろかなと思います。
――最近はポールダンスはスポーツとして推進していますよね?
坂井:ポール・スポーツと呼んでいて、日本ポール・スポーツ協会もあります。もともとポールダンスは、ストリッパーがポールを男性に見立てて踊ったというところが発祥なので、そういうイメージはしょうがないかなと思う部分もあります。でも、実際にやってみると、痛いし、きついし、筋力はすごく必要だしというところがあるので、本当にスポーツだなと思います。あとは芸術でもあるのかなと。ポールダンスって肌の摩擦で止まるので、どうしても露出が多くなってしまうんです。出したくて出しているというよりは、ヒザ裏、腿の内側、脇、お腹とか肌の摩擦で止めるためなんです。ポールはステンレスなので服を着ていると滑るんです。だからどうしても布面積が少なくなって、水着のような格好でやるんですよ。
――そういう理由があるんですね。坂井さんは2015年には「ミス・ポールダンス」で優勝しています。ポールダンスは世界大会もあるのですか?
坂井:あります。ポールダンスはまだまだマイナーなので、いろんな名前でいっぱい大会があります。私が優勝した「ミス・ポールダンス」は、優勝すると世界大会にいけるシード権がもらえる大会でした。ただ、世界大会のときにサムライの舞台があって、世界大会には行けなかったんです。大会にはこれからもチャンスがあったら出たいと思っているので、またそういう機会があればと思っています。
――ではこれから先、坂井さんが目指すところは?
坂井:将来的には自分でスタジオを作ってポールを教えていきたいという気持ちがあります。今、子どもたちを教えていて思うんですけど、裸足で踊るとヒザとかつま先の伸びが、バレエをやっていたのと、やっていないのでは全然違うんですよね。私がずっとやってきたバレエも教えられるし、ヨガも教えられるので、ポールダンスだけっていうではなくて、いろいろやれたらいいなと思います。今のポールダンサーさんってほとんどがヒザとかつま先をあまり気にしないんですよね。普通のダンスはやっていたけど、バレエや新体操はやってなかったという人も多いので、どうしても大会の映像とかを見てもつま先とかヒザの伸びが気になるんです。だから私は常にそこは気をつけて踊ろうと思っています。そういうことを小さいときから教えてあげたいなと思います。
――ポールダンスだけでなく、ヨガもあり、バレエもある、総合的なスタジオがいいかもしれないですね。
坂井:そうですね。バレエの動きを覚えてからポールダンスをやったら絶対に所作はきれいになるはずなんです。バレエは芸術なので、ポールも芸術としてやっていけるんじゃないかなってところがあるので、将来的にはいろんなものを教えられるスタジオができたらなと思っています。
【初心者でもできる!? ポールダンスの基本技公開!】
取材・佐久間一彦/撮影・神田勲
12月22日生まれ。岐阜県出身。クラシックバレエ、新体操などで培った経験としなやかな体、類い稀な身体能力を活かして、現在はポールダンサーとしてショーなどに出演。2015年のミスポールダンスジャパン大会で優勝を果たす。2013年よりサムライ・ロック・オーケストラに出演。芸術的で妖美なポールダンスに会場全体が酔いしれる。
サムライ・ロック・オーケストラ