スモール出版より、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)監修による「ボディビルのかけ声辞典」が発売中です。
本書では、「切れてるよ」「肩メロン!」「マッチョの満員電車だな!」……など、ボディビルのコンテスト会場で飛び交う「かけ声」にフィーチャーした一冊。会場の一体感を醸し出し、日々の鍛錬で肉体美を追求する競技者に贈られる”応援メッセージ”である「かけ声」から、ボディビルに触れてみるのはいかがですか?
本書では、「かけ声」を「ほめる」「たとえる」「超上級」に振り分けて紹介するほか、「ボディビルのABC」と称して、そもそもボディビルとは?という視点から、ボディビルの歴史からポーズの種類まで紹介する、初心者にピッタリのボディビル入門書的な1冊となっています。
今回VITUP!では、監修を行なったJBBF広報の上野俊彦さんに、この本の魅力を伺いました。
――このような本が出るのは初めてだと思いますが、出版のきっかけを教えてください。
上野:ボディビルのかけ声は昔からありましたが、当初は「かっこいい」とか「でかい」とか、単純な言葉だったと思います。ただここ数年、学生ボディビルの影響もあってかどんどん多様化してきています。TVで「かけ声」が取り上げられたり、SNSで若者を中心に話題になったりもしていて、今がチャンスだと思いました。
――「かけ声」の多様化という意味では、本の帯にある「肩にちっちゃいジープのせてんのかい」なんてまさにそうですね。
上野:これも去年の全日本学生ボディビル大会で発せられた言葉でした。最初に聞いたときは「何言ってるんだ?」と思ったんですけど、肩や大胸筋のゴツさが4WDの車体のようだということを言っていて、面白いですよね。
――本書では70個以上もの「かけ声」を紹介しています。
上野:300人ほどにアンケートをとり、1000個くらい集まった中から厳選したのを載せています。もっと面白いものもあったのですが、泣く泣くカットしたものもあります。
――地域によっても、レパートリーは違いそうです。
上野:はい、今回は日本全国でアンケートをとったわけではないので。関西なんかは、もっと過激な言葉も飛び交っているようです(笑)。
――海外ではこういった「かけ声」はあるんですか?
上野:いや、ないと思いますね。「かっこいい」とか“ヒューヒュー”というような歓声が多いので、「かけ声」というのは日本独自の、さらに他のスポーツでもあまり見かけない文化ですね。
――この本の面白いところは、「ボディビルってなに?」というところも紹介しているところにあると思います。
上野:「かけ声辞典」というタイトルですが、ポーズの種類や観戦アイテム、用語集なども載せているので、ボディビルをはじめてみようという人にも、観戦してみようと思う人にも、「ボディビルの入門書」としてぜひ手にしていただきたいと思っています。
――使われている写真も、かっこいいだけでなく味のあるものが多いですね。
上野:あえてプロのカメラマンではなく、いつも会場で観戦してくださって写真を撮っている方の写真を使わせていただきました。ファン目線で撮ったいい表情の写真もたくさんあり、温かみのあるものになったと思います。
――発売して1ヶ月(取材は8月中旬)経ちましたが、反響はいかがですか?
上野:7月のコンテストでは実際にこの本を手に観戦してくださったり、本を見ながら「かけ声」をかけてくださったりする方も非常に多く、嬉しい限りです。この本をきっかけにボディビルに興味を持っていただける人が増えると、嬉しいですね。
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『ボディビルのかけ声辞典』
監修者:公益社団法人 日本ボディビル・フィットネス連盟
仕様:A5 判並製/フルカラー/ 96 ページ
定価:1,400 円+税
全国書店、ネット書店にて発売中
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文・撮影/木村雄大