都内某所、午後8時。年齢も性別もバラバラな10人の男女が揃い、いよいよレッスンのスタートです。まずは床に転がり、いろんな体勢で「鼻から吸って、口から吐く」呼吸を繰り返していきます。意識的に呼吸をすることで一日の疲れをリセットする効果や、自分の体の痛みがある箇所に意識を向けて呼吸を続けることで、その痛みを和らげる効果もあると言います。
そこに動きを加え、動きと呼吸を合わせていきます。小さい動きから始まり、最後は一回転まで。普段やらないような動きを呼吸とともに行なうことで、体が伸び、ほぐれていく感覚がありました。
体がだいぶリラックスしたところで、今度は手足を使わずに床で腹這いになって前進・後進をしていきます。慣れているみなさんは、どんどん進んでいきますが、初心者の私は全く進めずその場にとどまったまま。
かろうじてお尻で前後に進むことはできましたが、横には動けませんでした。お尻で自由自在に移動する「クレヨンしんちゃん」ってやっぱりすごいなぁと改めて実感(笑)。
次はペアになり、相手の力を上手に受け止めたり、反撃に利用するための体の動かし方を学んでいきます。徹底した脱力と柔らかな動作が特徴と言われるシステマならではの動きは、頭では理解しているようでも、実際に体現することは難しく感じました。しかし、ペアの相手と動作を繰り返していくうちに、段々とコツをつかむことができました。
システマには決まった型があるわけではないようです。参加者のみなさんと一緒に「こうしたほうがいいかもね」と話し合いながら、自分たちで解決法を考えながらワークが出来るというのもひとつの魅力のように感じました。
また、ペアを組ませていただいたある女性の方は、元々ヨガをやっていたそうで、そこからいろいろな呼吸法に興味を持ち、システマにたどりついたと言います。確かに、動きと呼吸を連動させてリラックス効果を期待するという点は、ヨガにとても似ているような気がしました。システマはヨガの延長線上にある武術といっても過言ではないのかもしれません。
すべてのワークを終え、最後は輪になり今日のまとめを行ないます。その日の感想を一人ずつ発表していく中で、とある男性が「電車に乗っていたときに肩に寄りかかってきた隣の人をいかに抵抗せずに自分の負担を減らすかという場面が、とてもシステマ的だった」という話をしていたのが、印象に残りました。
とても面白い話であったと同時に、システマのわかりやすい例えだなぁと感じたからです。これは誰しもが経験したことのある場面であり、誰しもがシステマの基本と言える動作を自然と行なっているのではないかと思いました。システマという武術は案外身近なものだったのかもしれません。
今回の体験入門企画で少しでもシステマのことお分かりいただけましたでしょうか? VITUP!読者のみなさんも、この機会に是非一度システマ体験してみてくださいね。
『システマボストーク』のみなさん、短い時間でしたがありがとうございました。
システマに興味のある方は、下記を要チェック‼
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また、今回、「巌流島」という格闘技イベントに出場するアキラ・シットレック選手が、同じレッスンに参加されていました。ぜひ、みなさんも応援してあげてくださいね。9月17日、場所は東京・舞浜アンフィシアターです(https://ganryujima.jp/archives/10757)。