泉風雅【静かなる闘志の行方③】2017年全日本学生ボディビル選手権大会優勝者




10/21(日)に開催される全日本学生ボディビル選手権大会。ディフェンディングチャンピオン泉風雅選手にインタビュー。最終回となる今回は、大学卒業後の進路と今後の展望を話してもらった。

学生チャンピオンが語る、トレーニングの魅力

――こうしてお話を聞いていると、とても芯の強い方だなという印象があります。

泉:そこは自分でも意識している部分はあります。大学に入ってからは、特に心がけています。たとえば大学やクラブの先輩に「今日、ご飯を食べに行こう」と誘われたら、ついて行ってしまうと思うんですけど、自分の場合はトレーニングの予定がある時などは「嫌です」と、普通に答えてしまいますね(笑)。

――嫌ですと答えて気まずくなったりはしないんですか?

泉:全然ならないです。みんな気にしてないので。ただ、僕たちはバーベルクラブの関係性の中で、そういう受け答えをしていますけど、それを外の世界でやったらどうなるんだろうとは思います(笑)。

――泉選手にとって先輩の誘いを断ってでも優先したいトレーニングの魅力というのは、どんなところにありますか?

泉:トレーニングの魅力ですか……。いざ聞かれると分からないですね。形式的には「体が変わっていくのが楽しい」という回答になると思うんですけど。もちろんそれが楽しくてはじめたわけですけどね。

――言葉にならない部分で、ウエイトトレーニングを楽しんでいるということですかね。

泉:そうですね。ただ、いくら必要だからとトレーニングをやっていても、楽しいと思えなかったら辛くてやめてしまいますよね。僕たちみたいにどっぷりトレーニングに浸かってしまっていると、楽しさを改めて言葉にしたり意識したりする必要がないのかもしれません。「楽しくないわけないじゃないか」と思ってしまいます。でも、改めて考えてみると、普通の人にとって、トレーニングというのはやはり辛いものだと思います。

――そのトレーニングの魅力をその“普通の人”に届けたいという想いというのはありますか?

泉:あります。なので、もっと楽しくて身近なものとして、トレーニングを広めていくようなことができればいいんじゃないかと思います。

――楽しくて身近なものですか?

泉:そうですね。楽しくやるためには、家のすぐ近くにジムがあるとか、そういった環境の部分が非常に大事だと思っています。最近パーソナルトレーニングやパーソナルトレーナーが流行っていますよね。でも、どんなにいいトレーナーの人がいても、片道1時間半かけて行くとなると、普通の人にとっては続けるのは難しいように思います。だから、極力近くのものを使えるようにするのが続けるためのコツなのかなと。24時間のフィットネスジムなどが世の中に浸透してきたのも、そういった背景があるのではないかと思っています。

――泉選手自身は、トレーニングを通じての展望などはありますか?

泉:少し大きな話になってしまいますが、いま日本の社会全体を考えても、少子高齢化で社会保障費が増大しているという状況ですよね。そのような状況で、最終的にトレーニングを通して、少しでも健康的な生活を送れる人が増えればいいなと思っています。例えば2型の糖尿病などに代表される生活習慣病も、予防が可能な病気なんです。ご高齢の方たちも、ジムに来てトレーニングを行なうことで健康的に暮らすことができます。だから、この業界は大きい力を持っているんじゃないかなと思っています。

3年生になったいま語る
大学卒業後の進路と、今後の展望

――では、ご自身の今後について、大学を卒業されてからのヴィジョンというのはありますか?

泉:それはまだ決まっていないですね。ただ、やりたくないことはやりたくないので、たぶん自分で何かを始めると思います。以前は大学院に行きたいと思っていたのですが、よく考えてみると自分は大学院に行くほど賢くないなと思いました。だとしたら、その2年間を有効活用して、自分で何か始めた方がいいのではないかと思っています。

――そのように考えるにあたって、影響を受けた人はいたりするんですか?

泉:ボディビルをやっている人って、比較的自分で何かをやっている人が多いと思うんですよ。そういう環境に自分が身を置いてきたので、周りの方々からいい影響を受けているとは感じています。だからといって具体的にこれをするというのは、まだ決めかねています。

――ボディビルは続けていこうと思っていますか?

泉:それもまだ分からないですね。ウエイトトレーニングで体がよくなっていくのはとても好きですが、最近は、日焼けするのは健康にも肌にも悪いなと思うようになりました。なので、これからも続けていくのか、ということも含めて、まだ何も分からない状態ですね。

――あくまでも、やりたくないことはやりたくないということですね。

泉:理念としてはそうですね。

――では最後になりましたが、全日本学生ボディビル選手権大会に向けて決意を教えてください。

泉:やるべきことをやるだけですよね。祈ったところで、出場選手の体の仕上がりが悪くなるわけではないですし。いわゆる人事を尽くさないと、天命すら待てないので、自分は自分のやるべきことをやるだけです。

★大きなプレッシャーに左右されることなく、目の前にある闘いに備え、2連覇という快挙を目指す。

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【INFO】いよいよ今年の学生No.1ボディビルダーが決定!

取材・文・撮影/須﨑竜太