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痩せてしまいます。【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第35回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?

年末が近づくにつれて、忙しさが増していきます。ここ数週間は連日、朝から夜までアポがぎっしり入っていて、空いている時間にデスクワーク。トレーニングの時間を確保するのに苦労しています。以前、朝までの入稿作業を終えてそのままジムに行ったときは、ビックリするくらい力が出ずに、まったくトレーニングになりませんでした。それ以降はいくら時間がなくても、睡眠時間ゼロでトレーニングに行くのはやめています。学生時代は朝5時まで飲んで7時からの朝練でもフルメニューこなせたのに、やはり年齢による衰えは隠せません。

さて、連載第20回のコラムで書いたように、現在はバルクアップを目標としています。もともとが骨細のガリガリで、さらに着痩せするタイプであり、なんとか筋量を増やして体重を増やしたいのです。しかし、そんな思いとは裏腹に気を抜くとすぐに痩せてしまいます。ダイエットが目的の人からしたら、「ぜいたく言うな!」と怒られそうですが、体を大きくするというのは本当に大変なことです。

体重の増減は「摂取カロリーと消費カロリーのバランス」で決まります。減量をしていたときは、食事量を抑えつつハードな練習をして、カロリーの収支をマイナスにすることで、脂肪をそぎ落とし、体重を減らしていました。増量の場合もこのメカニズムは同じ。筋肉を大きくしていくためには、摂取カロリーが消費カロリーに達した上で、必要なタンパク質を摂取することが重要です。頭ではわかっていても、これがなかなか難しいのです。

私はジムに行くと、筋トレに加えて必ずランニングをしています。体づくりのプロからは「増量したかったら有酸素運動はやめましょう」というアドバイスは受けていて、これが痩せてしまう原因の一つであることは明らかです。ただ、学生時代から走って汗を流すことでコンディションをつくることに慣れてしまっているため、いっぱい走ってたっぷり汗をかかないと、トレーニングをした気分になれないのです。

もう一つの原因はエネルギー不足。普通に三食、栄養バランスもよく食べてはいるのですが、トレーニング日は消費カロリーに摂取カロリーが追いついていないことが予想されます。その結果としてトレーニングをすると、痩せてしまうのです。

(C) Coloures-Pic – stock.adobe.com

24~25歳の頃、アニマル浜口さんの取材でご自宅を訪ねた際、「近くにカツの美味しいお店があるから」と出前をとってもらったことがありました。自分と浜口さんの2人なのになぜかカツカレー、カツ丼、ヒレカツ定食と3人分を注文。「好きなものをどうぞ」と勧められ、カツカレーを食べると、「いい食べっぷりだ」ともう一食促されました。次はカツ丼をチョイス。食べる気配のない浜口さんに「召し上がらないのですか?」と聞くと、「私は今、京子の気持ちになるために75キロまで減量しているので遠慮しないで全部食べてください」との返答。結局、カツカレー、カツ丼、ヒレカツ定食の3食をすべて一人で食べることになりました。もしも最初から3食すべて自分の分だとわかっていれば、食べる順番はヒレカツ定食→カツ丼→カツカレーにしたはず。最後に残る白飯とキャベツ……。今思い出してもゲップが出ます。

話がそれました。若い頃はこのようにたくさん食べることができたので、どんなに運動をしてもエネルギーが不足することはありませんでした。今はあまり食べられないので、食事だけでエネルギーを摂取するのには限界があります。そんな私にアドバイスをくれたのが、「TAIJI THE WORLD」を好評連載中の石森太二選手。エネルギー不足にならないために、トレーニング中から炭水化物(エネルギー)を摂取するべきだというのです。これはナイスなヒントです。

これまではトレーニング後にエネルギーやタンパク質の摂取というイメージでしたが、トレーニング中からサプリメントなどで普段よりも多めに炭水化物を摂取すれば、エネルギー不足に陥ることもなく、体重減少を抑えることができると思っています(まだこのやり方は実施していません)。

さんざん減量に苦しんできた自分が、増量のことを考えるようになるなんて……。痩せるのも体重を増やすのも、どっちも楽な道はないですね。

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。