【美ボディFILE】ポールダンサー・坂井絢香①




ポールダンサーの坂井絢香さんはサムライ・ロック・オーケストラのメンバーとして活躍する一方で、『超人女子』、『KUNOICHI』といったテレビ番組でも、その美ボディと身体能力の高さを披露している。坂井さんの美ボディはいかにしてつくられたのか? これまでの歩みに迫った。

偶然見た映像がきっかけでポールダンスの世界へ

――ポールダンスはとても柔軟性が大事ですが、体はもともと柔らかったのですか?

坂井:柔らかかったですね。直接のつながりがあるかはわからないんですけど、赤ちゃんの頃は布おむつだったんです。

――布おむつで体が柔らかくなったのですか?

坂井:変な話なんですけど、布おむつってヒザをグッと押して足を開かないとうまくつけられないんです。それで股関節が柔らかくなったのかなと思っています(笑)。

――そんな秘密が(笑)。子供の頃はバレエをやっていたそうですね。

坂井:5歳のときにモダンバレエを始めて、クラシックバレエに移ったのは小学4年生のときです。ある日、私が幼稚園から帰ったときに「バレエをやりたい」と言ったみたいなんです。当時、母はバレエを知らなくて、「バレエってなんだろう?」って思って、タウンページで探してくれてバレエ教室に連れて行ってくれました。

――最初はモダンバレエから始めたのですね。

坂井:地元が岐阜県の飛騨高山で、本当はクラシックバレエをやりたかったのですが、当時は高山市には習えるところがなかったので、モダンバレエをやっていました。その後、小学2~3年生のときにワークアウトスタジオができて、跳び箱やマット運動をしたりする体操教室に通うようになりました。ちょうどその頃に、高山市内の高校の新体操部のコーチが、ジュニアチームを作るということになったんです。そこでできたチームに入って新体操を始めました。

――新体操の柔軟体操はすごく大変そうなイメージがあります。

坂井:新体操はイスを使っての柔軟とか、足が壁につくまで上げる柔軟とか、けっこう厳しい柔軟をやっていたので、そこでまた柔らかくなったかもしれません。

――痛くなかったのですか?

坂井:痛いです(笑)。泣いている子もいましたし、チームができて最初は20人くらいいたんですけど、練習をするたびに人が減っていって、最終的には10人もいなかったと思います。新体操はとにかく柔軟が大変だったという印象があります。あとはフープやクラブなどの手具の扱いが私はあまり得意ではなくて、居残り練習もさせられていましたね。

――同じ頃にクラシックバレエも始めたのですか?

坂井:新体操のチームができたのが小学4年生のときで、新体操を始めてすぐに高山市内にクラシックバレエの教室もできたんです。私はバレエがやりたかったので、新体操も続けるけど、バレエもやりたいということを母にお願いしました。

――新体操、クラシックバレエをずっとやっていて、ポールダンスにはどのようにしてたどり着いたのでしょうか?

坂井:小学校6年生のときに劇団四季のミュージカルを見て、私はバレエで生きていきたいと思ったんです。こういう舞台に立ちたい、舞台で踊りたいと思いました。まずそこがスタートになっています。

――将来はミュージカル女優になりたいと。

坂井:中学生になってからは声楽も習い始めて、ミュージカルを本格的に目指そうと思っていました。高校を卒業してからクラシックバレエの専門学校に入るために上京してきて、クラシックバレエと声楽を本格的に習って、劇団四季を目指すためだけにずっとレッスンをしていました。

――劇団四季を初めて見たときから目標は一貫していたのですね。

坂井:はい。二十歳で専門学校を卒業して、劇団四季のオーディションを受けたけどダメで、他のバレエ団とかも受けたんですけど、うまくいきませんでした。学校を出てからは働かないといけないので、ヨガの先生を始めました。ヨガの先生をやりながらも、バレエのレッスンに通ったり、オーディションを受けたりしていて、ミュージカルの勉強、いろいろなダンスを習うために留学もしたんですけど、それでもうまくいかなったんです。

――ミュージカル女優への道はそれだけ厳しかったのですね。

坂井:なかなかうまくいかなくて、バレエだけに固執していたら無理だなって思うようになったんです。バレエを生かして何か新しいことをしようと思ったのが25歳くらいのときで、YouTubeでいろいろ検索していたら、たまたまポールダンスの映像を見たんです。

――そこがポールダンスとの出会いですか。

坂井:そのとき見た映像が、エロティックなものではなくて、芸術的ですごくキレイなポールダンスだったんです。これならバレエを生かしてできるかなって思って、体験レッスンに行ってみました。当時は今ほどスタジオもなくてレッスン代もけっこう高かったんですけど、意を決して足を踏み入れてみたら、すごく楽しかったんですよ。次の日は腕が上がらないくらい筋肉痛になるし、ポールの摩擦もすごく痛かったんです。それでも痛さ以上に楽しくて、これは本格的にやってみようと思いました。

取材・佐久間一彦/撮影・神田勲

坂井絢香(さかい・あやか)
12月22日生まれ。岐阜県出身。クラシックバレエ、新体操などで培った経験としなやかな体、類い稀な身体能力を活かして、現在はポールダンサーとしてショーなどに出演。2015年のミスポールダンスジャパン大会で優勝を果たす。2013年よりサムライ・ロック・オーケストラに出演。芸術的で妖美なポールダンスに会場全体が酔いしれる。
サムライ・ロック・オーケストラ