低学年で瞬発力を上げていけば
どんな競技でも技術力は上がる
成國晶子代表は子どものトレーニングで瞬発力を上げることを重視している。
「骨や筋肉が成長段階にある子どもは、神経伝達をよくして、全身を使うことで運動能力を上げることができ、将来のパフォーマンス向上につながります。大事なのは無理な重量を担いで骨、筋肉、靭帯に負担を与えず、ナチュラルな自重を使って、運動能力を上げていくこです。この年代は一度正しい体の使い方を身につければ、一生体が覚えています。バク転やバク宙ができるようになった子はしばらくやらない時期があっても、一生できるものです。それゆえ、一度覚えた動作を次のトレーニングに活かしていけば、さらには競技力向上のためのパフォーマンスアップにつなげることができるのです。私が考える“ゴールデン・エイジ”とは、各競技で技術力が向上する時期。その前段階である小学校低学年のときに瞬発力を上げていけば、どんな競技でも必ずや技術力は上がっていくというわけです。また、高校生ぐらいになると、サッカー部ならサッカーしか真剣にやらないようになり、競技にばかり熱中しがちで飛び跳ねるような動作が少なくなり、遅れている部分、劣っている部分を補うフィジカルトレーニングが足りない選手が多いのが実情です。だからこそ、子どものうちにしっかりと瞬発力を鍛え、そのうえでそれぞれの競技に合わせたトレーニングをしていきましょう」
以後3回にわたって、ゴールドキッズで行われている瞬発力をアップさせるトレーニングを紹介。
「ポイントは正確に、“リズムよく”やるよう意識すること。できるようになったら、徐々にテンポを上げていきましょう。動作の切り替えしは間をおかず、瞬時に! 毎回、すべてのメニューをこなす必要はありません。指導者はできるだけ多くのメニューを用意し、さらにアレンジした応用編を考え、子どもたちを飽きさせることなくトレーニングさせてください」
トレーニング監修/成國隆大〈柔道整復師・針灸師・NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト〉
トレーニング指導/瀬野春貴・成國大志
◆1 跳び箱からダッシュ 5回
◆2 ボックスジャンプ 10回
【ポイント】ドタバタ音を立てず、忍者のようにスーッと!
◆3 スナッチジャンプ 5回
◆4 スピードランジ
【ポイント】腰の高さを一定に保ち、体が上下しないように!
◆5 起き上がってダッシュ 10往復 ※5秒ごとにブザーを鳴らす
◆6 サイドジャンプ 15往復
【ポイント】テンポよく。できるだけ高くジャンプする
◆7 馬跳び 馬跳び・くぐり抜け10回
【ポイント】
くぐるときは相手の股の間に大きく踏み出し
今回はここまで。メニューはまだまだたくさんあります。
※つづく。
取材・宮﨑俊哉/撮影・佐久間一彦