美女キックボクサー・ぱんちゃん璃奈「自分を好きでいたいから練習する」

いま格闘技界で注目を集めているのは、美女キックボクサーのぱんちゃん璃奈選手。
グラビアデビューを果たし、“強カワ”ファイターとして、今年はブレイクすることになりそうです。プロデビュー4戦4勝と絶好調の彼女に、身体を鍛えている理由と肉体美を維持するようになったキッカケを中心に聞いてみました。


――リングネームの“ぱんちゃん”は、漫画の『ドラゴンボール』に出てくるキャラクターからつけたそうですね。

「はい。孫悟空の孫娘の名前なんです。友達に『似ているね』と言われるようになってから、嬉しくなって使うようになりました」

――可愛らしいキャラクターですよね。でも、原作にはもっと強いキャラクターもいたと思いますが、そこは引っかからなかったんですね。

「まあ、でもスーパーサイヤ人の血が入っていますから(笑)」

――たしかに超人ですからね(笑)。格闘技を始めたのは遅かったと聞きました。

「22歳の時です。大阪から上京したのが21歳で、その1年後にキックボクシングを始めたんです」

――肩幅が広く筋肉質でアスリートの身体をしている印象はありますが、他にスポーツをやっていたんですか?

「小さい頃に水泳と陸上をやっていたので、その影響が大きいと思います」

――身長は164cmと高いですね。

「じつは上京した時は、161cmだったんです。キックボクシングを始めてから3cmも伸びました」

――20歳を過ぎてから身長が3cmも伸びたんですか。それは驚きですね。

「本当に不思議なんですけど、事実です。ストラッグルジムに入ると、身長が伸びるかもしれませんよ(笑)」

――所属するストラッグルジムは、一時代を築いた名キックボクサー・鈴木秀明会長が主宰する名門ジムですね。入門することになったキッケカを教えてください。

「いくつか経緯があるんですけど、上京した時はとにかくバック転をやりたかったんです」

――いわゆるバック転ですか。アクション俳優を目指していたとか。

「いえ、全然、そんな具体的な目標はなく、ただただバック転を特技にしたかったんです。だってカッコいいじゃないですか、バック転ができたら」

――うーん、バック転ですか。カッコいいかな……、バック宙ではなく?

「バック宙は、筋力と瞬発力があればできるんですよね。でもバック転は、しなやかさがないとできないんです」

――た、たしかにそうかもしれませんが、これまで深くバック転について考えてことはなかったです。

「私の周りにはバック転ができる男の子が多かったので、やりたいなと思っていたんです。でも住んでいたところには(大阪)には、バック転を教えてくれる教室が近くになかったため、諦めかけていました。でも上京後、都内にあると聞いて通うようになりました」

――バック転への拘りが強いんですね。

「そうですかね? その時は、真剣だったんです。それで体操教室のようなところに通って、バック転の練習をすることになりました。そこでアクションや殺陣も習うようになり、もっと綺麗な蹴り技を出したいと思うようになったんです。その延長でキックボクシングに興味が出るようになりました」

――水泳→陸上→バック転→アクション→キックボクシングというトリッキーな流れなんですね。ちなみに水泳と陸上は、大会に出られたりしたんですか

「水泳は姉がやっていたので私も習うようになったんですけど、当時は身体がガリガリで体脂肪が8%しかなかったんです。水に浮かなくて、合っていないと思って辞めました。陸上は、長距離を走るのが得意だったので、水泳の替わりに始めるようになったんです。でも陸上は、高1の時にケガをしてできなくなりました」

――そうだったんですね。その反動で、バック転をやろうと思ったわけですか。

「特技がほしかったんです。今は怖くてやれませんけど(笑)」

――キックボクシングを始めてからは、バック転がどうでもよくなったと。

「そうですね(笑)。キックボクシングにはまってしまいましたね。それまでは護身のためにと思って始めたキックボクシングでしたが、少しずつ意識が変わっていきました」

――どうやってのめり込んでいったんですか?

「最初はフィットネスジムに通う感覚で、1週間に2回くらいしか練習をしていなかったんです。でも習い始めて2ヵ月経った時、ゴールデンウイーク初日にハンバーガーを食べながら、自分の進路について考えることがあったんです。その時は22歳になって、みんな就職先の会社が決まっていく中で、私だけフリーターで先が見えない状態でした。たまたま、その後にキックの練習があったんですけど、『そうか、選手になればいいんだ』と思いついたんです(笑)」

――私は、キックボクサーになるんだ、なればいいんだと。

「単純ですよね。そんな簡単になれるものではないんですけど、決意してからは視界が開けていって、ワクワクする気持ちで一杯になりました」

――それまで目の前に広がっていた靄(もや)が、一気に晴れていった感じだったんですね。それほどまでにキックボクシングに熱中することができたわけですか。

「練習が楽しいんですよね。キツイ練習はありますが、その中でも楽しくできることって、なかなかないと思うんです。パンチやキックを打つとストレス発散できますし、うまく説明できないですが、これまでの人生にない感覚なんですよね」

――単純にストレス発散だけではないわけですね。

「難しさが加わってくるんで、そこをクリアしていく感じが他の競技と違いますね。普通に前へ出て攻撃するだけでは勝てませんから、どうやったら攻略できるのか考えるのは楽しいです」

――試合ではパンチを打つ場面が多い印象ですが、蹴りのフォームが綺麗だと思いました。

「練習では蹴りが多いんですが、試合になるとパンチばかりになってしまいます。2戦目だけですね、蹴りを多く使えたのは。あとの試合は倒すことで頭が一杯になって、蹴りを使うことが飛んでしまいます」

――入場の時は、とても素敵な笑顔で花道を歩いていますが、どんな心境なんですか?

「じつは、緊張しています。でも応援に来てくださっているファンの方々に、少しでも楽しんでもらいたいと思う気持ちから笑顔をつくっています。会長も、『そういう元気な姿をファンの方が見に来てくださっていると思う』と言ってくれているので、緊張していても入場では笑顔をつくるようにしています」

――笑顔でリングに上がった後は、表情が一変しますね。

「相手を見た瞬間に、『倒してやるぞ!』という感じになります(笑)」

――そのギャップがいいですね。素敵な笑顔で入場してきて、リングインした瞬間に怖い顔になる。それは、ファンがつきますよ。今、りんごちゃんというお笑い芸人がブレイクしていますが、あれもギャップで受けていますよね。

「あ、りんごちゃん、面白いですよね。可愛い感じで出てきて、野太い声で歌う姿は、何回見ても笑ってしまいます」

――大衆受けするのは、ギャップが一番、瞬発力のある手法だと思います。ぱんちゃん選手もアイドルっぽく登場して本格的な試合をするので、そのギャップが魅力です。

「本当は、強さで勝負をしたいんです。今、KNOCK OUTというイベントに出せてもらっていて、あの大会はチャンピオンクラスの選手しか出場しないので。でも私のようにまだ実力がついていっていない選手にもチャンスをいただけて、その嬉しさとプレッシャーとの闘いですね。焦ってしまうと、前回のようにいい試合ができなくなってしまうので、KOしたいとか、あまり気負わないようにしたいと思っています」

――デビューして半年ですから、空回りすることがあるのは当然かもしれません。対戦相手からすれば、ポスターや看板に大きく掲載されている選手に負けたくないでしょう。

「私が反対の立場だったら、絶対に倒してやろうと思います。勝てば立場が反対になりますから、必死に向かってくる気持ちは十分に理解できますね。だから練習では、少しも手を抜けません。手を抜いたら、負けるという危機感がつねにあります」

――ぱんちゃん選手が練習するモチベーションは、そういうところにあるんですね。

「昔から自分が認めてもらうためには、それしかないと思って生きてきました。小学校の時に転校してきて、その年の冬にマラソン大会があったんですけど、適当に走っていたのに1番になれたんです。みんなに『凄い!』と認められるようになって、自信を持つことができました。勉強はできないし、友達もいない中で、まったく取り柄がなかった自分に生きる核みたいなものができたんです」

――なるほど。特技が自分の核になったわけですね。だからバック転であり、キックボクシングにつながっていったと。それで納得ができました。自分の核を形成するには継続したトレーニングが必要だと思いますが、何が原動力になっているんですか?

「先ほど高1の時にケガをして陸上を諦めた話をしましたが、何も身体を動かしていない時期があったんです。それまでは毎日、運動をしていたので、何もしないことは楽だなと思いました。でも、楽だと思う反面、毎日が楽しくなくなっていきました。練習は苦しいこともありますが、達成感はあるんで、自分のことを好きでいられることができます。自己アイデンティティを保つため、自分を好きでいたいから練習していることに気づいたんです」

――自分を好きでいたいから練習する。名言ですね。

「キックボクシングは、いつ選手生命が終わるか分からない競技です。すべて自分に跳ね返ってくるので、できる限りの努力は惜しまないようにしています。私のようなキャリアだとまだ必要ないと言われるかもしれませんが、パーソナルトレーニングを受けていますし、酸素カプセル、サプリメント、疲労回復の高濃度ビタミン点滴、ニンニク注射とできる限りのことをやっています。ギリギリ勝負の僅差になった時にその差が出ると思っていますので、できる限りの時間とお金を使って準備をするようにしています」

――パーソナルトレーニングは、具体的にどんなことに取り組んでいますか?

「体幹、筋トレ、フィジカルを週3回やっています。筋トレは筋肉をつけるだけではなく、動作をするにあたっての身体の動かし方を重視して取り組んでいます。例えばパンチをする時に腕だけで打たないように、肩甲骨を意識して動かすための筋トレをしています。蹴りも同様で大腿四頭筋だけで出さずに、大殿筋などを鍛えてお尻から蹴りが出るようなイメージを持つようにしています。体幹を鍛えながら、筋肉と動きが連動できるような筋トレをメインに取り組んでいます」

――努力と自分への投資を惜しまない。本気度が伝わってきますね。

「やっておけばよかったと後悔したくないんです。やるからには、徹底して取り組む。それが、私のやり方です」

――次戦は、10月4日、KNOCK OUTのリングでJ-NETWORK王者・MIREY選手との対戦が決まっていますね。

「はい。興味のある方は、ぜひ会場にお越しください。対戦相手は、また強い選手になりますが、勝てるように全力でがんばります!」

取材/松井孝夫
撮影/長谷川拓司

ぱんちゃん璃奈選手が出場する大会詳細は、こちら

Struggle(ストラッグル)
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