VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?
先日、シカゴ・カブスのダルビッシュ有選手がTwitterでこうつぶやきました。
『身体鍛えてたり、食事制限している人に「何目指してんの」って聞く人いるけどどんな答えが欲しいんやろ笑』
この「何目指してるの?」は、まさに「筋トレしている人あるある」と言ってもいいでしょう。アスリートではない一般の人が筋トレをしているというと、筋トレをやらない側の人からは必ずこの言葉が出てきます。
ダルビッシュ選手のこのツイートへの反響は大きく、寄せられるコメントが大喜利のようでなかなか面白いものでした。
「スーパーサイヤ人」「ゴリラ」「草野仁」といった具体例(?)から、「余計なお世話だと言う」「オマエみたいになりたくないからだって言ってやりたい」といった反発系。あるいは「何か目指さないと頑張っちゃいけないのですか?」「逆に何を目指して鍛えていないのか聞きたい」という疑問系や、「何万回も言われた」「あるあるですね」といった同意系、「一つ上の自分になりたいから」「老後も自分の足で歩きたいから」「身体を美しくみせるため」「理想の自分」という正論系と、答えの系統は多種多様。何が正解なのかはわかりませんが、筋トレをしている人が、一度はこの言葉を言われているんだなということだけは、ハッキリとわかりました。
私がジム通いを始めたのは12年前。レスリングを引退して10年が経ち、ちょいデブになってしまったことがきっかけでした。当時は今ほどの筋トレブームではなかったこともあり、私も「何目指してるの?」は経験済です。ただ、面白いもので通い始めのときに「デブだからジムに通い始めた」と言うと、周囲は温かい目で見守ってくれます。痩せるためにジムに行くというのは、誰にでも理解できるということでしょう。
その一方で、無事にダイエットに成功し、その後もジム通いを続けて筋肉が復活してくると、「何目指してるの?」と言われるようになるのです。デブ脱出は一つのゴール。ゴールにたどり着いたら終わりじゃないの? まだ続けるの?という考えのもと、「何目指してるの?」という言葉が出てくるのだと思います。こうした背景から考察すると、「何目指してるの?」と発言する人は、明確な答えがないと行動できないタイプであると分析できます。だとしたら、目標達成後も努力を継続できる人のことを理解するのは難しいかもしれません。
ちなみに私が「何目指してるの?」と聞かれたら何と答えるか?
現在は有名アスリートの取材をする機会が数多くあります。日々、努力して鍛えているアスリートを取材する上での最低限のマナーとして、だらしない体にならないことが自分の中でのルールなのです。中年太り全開のだらしない体で、鍛え上げられたアスリートの前に出ていく勇気は私にはありません。
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。