ポーズダウンの場に立てれば一生の支えになる~古内開君(3年)&金正雄君(3年)&仲野竜弐君(2年)【GKB応援団:神奈川大学ボディビル部編】




学生ボディビル、通称・学ボを盛り上げるべくスタートした連載「学ボ応援団(GKB応援団)」。今回、新たに登場するのは神奈川大学ボディビル部。第1回目は、今年の学生選手権でも活躍した主将の古内開君(3年)、副主将の金正雄君(3年)、主務の仲野竜弐君(2年)。3人に、ちびめがさんが話を聞きました。

先輩を倒すためにずっと頑張ってきた

――今年は1年生もたくさん入部したと聞きましたが、現在は各学年何人くらいいるんですか?
古内 3年が7人、2年が4人、1年生が十何人か……
 一気に増えましたよね、まさにフィットネスブーム。勧誘を頑張ったのもありますし、なんか、向こうからどんどん来てくれるんですよ。
古内 ちょうどさっきも、実は1年生が1人で訪ねてきてくれたんです。

――それはすごいですね!入ってくる子たちは、「神奈川大学に入ったらボディビル部に入ろう!」って思ってやってくる子が多いですか?
古内 いや、だいたいはそんなことないですね。
仲野 自分はそうでしたよ?
 そうだっけ?
仲野 はい。3年生の先輩方の同期だった方と自分は以前から知り合いで、その人が当時、ボディビルにいたんですよ。高校時代に部の話を聞いていて、指定校推薦で決まったのでボディビル部に入ろうと思いました。

主将の古内開君(3年)

――でも、ボディビルってちょっと特殊なところでもあるから、なかなか話を聞いただけでは入ろうとは思わないんじゃないかと思うんですけど、それでも入りたいと思った理由は?
仲野 自分は帰宅部だったんですけど、なんかトレーニングをしたかったんですよ(笑)。まったくスポーツをやっていなかったわけではないんですけど、当時からバイトに行く前にちょちょっと自重トレーニングをやったりしていて。なんとなく、「デカくなりたい」と思っていたのもあって、こういうウエイトトレーニングをしてみたかったんです。

――ボディビルだと減量とかもあるので、大変というイメージありませんでしたか?
仲野 正直、トレーニングをしかっただけなので、実はもともとボディビルはあんまり興味なかったんです。たぶんそういう人は多いと思います。でも、去年卒業された八鍬(泰行)さんに、入部してすぐの時に「オマエは何キロ体重を増やして、何キロ落として出ろ!」って言われて、なんか火が付いたんですよね。YouTubeでフリーポーズの動画などを見るようにもなって。自分は、黒川宏太さん(岡山大学卒・2017年日本ジュニア選手権2位/2017年学生ボディビル選手権2位)のフリーポーズを見てカッコイイなって思い、そこからボディビルっていいなって感化されました。

仲野竜弐君(2年)

――やっぱり憧れの存在がいるのはいいですよね。
仲野 あとはもちろん、先輩方です!
古内 嘘つけ(笑)
仲野 いやいや。一番近くにいて、ボディビルの大会を目指している気持ちがすごく伝わってくるので、それを感じています。
金 本当かよ(笑)。
仲野 これ言うのは初めてですけど、去年から2人を倒すためにずっと頑張ってきたんです。今年が大会に出るのは初めてですけど、頑張りたいなと思っています。
(※取材は10/6開催「関東学生ボディビル選手権大会」以前に実施)
古内 初めて聞いたよ。
金 俺は、なんとなく知ってたよ。
古内 でも、すごい闘志は感じてました。負けてられないな。

――メラメラとライバル心みたいなのが伝わってくるわけですか?
金 LINEのやり取りとしていても、「あ、こいつ勝つつもりだな」って。減量に入る前は謙遜していたんですけど、進むにつれて、「俺は全日本行きますよ」とか言うようになりましたし。
古内 一緒にトレーニングをしたときに、なんか出てるんですよ、口で言わないにしろ、伝わってくるというか。言葉にも、たまにトゲが出てきたり(笑)
仲野 そうですか?
古内 コイツ~、って思ってたよ。トレーニングで種目を被せてくるときもありますし。でも、僕たちも負けてられないっていう気持ちになるので、いい刺激になります。負ける訳にはいかないですよ。

副主将の金正雄君(3年)

――いいですね、そのバチバチ感!まさにガクボという感じで。ちなみに、古内君がボディビル部に入ろうと思ったきっかけは?
古内 僕は高校までずっと硬式野球をやっていたんですけど、そこでトレーニングが楽しいって気付いたんです。引退してからもずっとトレーニングをしていたんですけど、たまたま鈴木雅さんのフリーポーズをYouTubeで見て、カッコイイなって思ったのがきっかけです。

――ボディビルをやろうと思った?
古内 いや、トレーニングで大きくなりたいっていうのはあったんですけど、その時はボディビルをやろうとは思っていませんでした。でも、せっかくやるなら大会に出てみようかなって。あと、自分は地元が岩手県のすごく田舎のところでボディビルの「ボ」の字も出てこないところなんですけど、そこで「あいつボディビルやっているらしいよ」っていう風になると、良い意味でなんか目立つじゃないですか。目立つのが好きなんですよ(笑)。

――ボディビルをやるうえでは大切ですよ。
古内 正直なところ、ボディビルにはやっぱり偏見はありました。でもフリーポーズを見ていると純粋にカッコイイな、美しいなって思うんです。こういう競技なんだってわかってきて、トレーニングに熱がこもるようになったのもそこからですね。

――金君はいかがですか?
金 僕も似たような感じですけど、高校の時からずっと、大人になったらムキムキになりたい!と思っていました。ボディビルとはちょっと違いますが、海外の映画に出てくるような強い男、かつ仕事もできる男になりたいっていう気持ちで。そう思っていたところでボディビル部を見つけて、興味本位でいろいろ見ていたら、先輩方はめちゃくちゃ体がデカくてカッコよく見えたんです。

――じゃあやっぱり、ボディビルに興味があったわけではないと。
金 そうですね。ボディビルにはまったくやる気がなくてトレーニングだけをやるつもりでした。2人と同じで、自分も2017年の関東と全日本のガクボを見て、めちゃくちゃカッコいいなって思ったのがボディビルの大会に出てみようと思ったきっかけです。そのなかでも特に表彰式のポーズダウンを見て、大学生のうちにあの場に立つことができたら、将来、一生の支えになるなって思いました。

――審査のステージよりも、ポーズダウンなんですね。
金 例えば社会人になって何か嫌なことがあったとしても、「学生のときにポーズダウンの場に立ったことある」って思ったら、何でも耐えられるんじゃないかなと思っています。すごい自信になるだろうなあって。だから、今のモチベーションはそれでがすべてですね。

★ここまでは3人がボディビルをはじめたきっかけを聞きました。次回は、大会に懸ける想いなどを伺います。

取材/ちびめが 写真/木村雄大