脂肪燃焼を助ける「燃え食材」その1




「走るフードコーディネーター」川﨑泰代さんに体づくり、健康づくりのための食事と栄養について教わるこの連載。第5回は、夏ダイエットを助けてくれる「燃え食材」についてです。

脂肪燃焼を助ける食材とは

夏本番が近づいてきました。夏服になると体型がわかりやすくなる、肌を露出することが多くなるという理由で、これからダイエットを始める女性が増えるようです。しかし、体重を減らそう減らそうとして食事を制限しながら運動を続けることは危険です。食べないダイエットではなく、体の中で燃焼しやすいものを食べることによって脂肪がそぎ落とされ、きれいな体を手に入れることができる、美しいダイエットのための近道をお教えしたいと思います。

脂肪燃焼を助ける食材を「燃え食材」とします。たとえば焚火を想像してください、火をおこそうとしても薪とライターとマッチだけでは火はおこしにくいものです。ライターで直接薪に火をつけようとしてもうまくできない。そこには新聞紙も必要。つまり薪が脂肪だとしたら、新聞紙が燃え食材にあたります。脂肪燃焼のためには糖質も必要で、糖質を燃やすためにはビタミンB1が必要です。

燃え食材というのは、食べると体が温まり代謝を上げる効果のある食材で、同時に脂肪を燃焼させる食材です。体が温まって代謝を上げるので燃焼しやすくなると考えてください。燃え食材の代表は唐辛子、生姜、ニンニクです。唐辛子に含まれているカプサイシンは代謝をアップさせ、ダイエットに効果的です。最近では血糖値を下げる効果も報告されています。少量でもとっていない人にくらべると摂取した人のほうが代謝を25パーセントアップさせるというデータもあります。

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とはいっても唐辛子をパクパク食べるのは難しいので、唐辛子を使った料理を紹介しましょう。キムチや夏野菜を使ったピクルスもいいですね。お酢に唐辛子も入りますから。麻婆豆腐のほか、夏野菜を使った麻婆ナスもいいでしょう。

世界で活躍するサッカー選手の中には、茹でたパスタをオリーブオイルで唐辛子とニンニクで炒めたペペロンチーノをよく食べるという話を聞くことがあります。ダイエット中は糖質制限をする人も多いのですが、アスリートにとって糖質はエネルギー源です。運動をしている方は糖質もほどほどに摂ることをオススメします。根菜のペペロンチーノも私のオススメの1つです。根菜には冬の野菜が多いのですが、冬野菜は体を温める効果があり、なおかつ唐辛子と炒めると食べやすくなるという相乗効果もあります。

生姜は代謝、体温を上げるには効果てき面の食材です。体温が下がっている人などが正常値に戻すためには、生姜を使った料理や生姜紅茶などが最適です。すりおろし生姜をたっぷり使ったチャーハンなどもオススメです。ニンニクもスタミナをつけるだけでなく体を温める食材です。唐辛子と一緒に使うとより代謝がアップします。だから炒めものに唐辛子と香味野菜としてニンニクを使う。それこそペペロンチーノですね。

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唐辛子、生姜、ニンニクは毎食取り入れるようにしてもいいのですが、刺激が強い食材なのでとり過ぎてしまうと胃に負担がかかってしまいますので注意してください。そのほか脂肪燃焼を助ける効果があるのはマグネシウムを多く含む食材です。たとえば豆腐、納豆などの大豆製品はタンパク質の源で、高タンパク低カロリー。筋肉の増強にもつながります。また、ワカメや昆布などの海藻類にはミネラルが豊富に含まれていて、同時にヨウ素も入っています。このヨウ素が新陳代謝を高めて肌の再生などを助けてくれます。ですからワカメの酢の物にすりおろした生姜を加えると、体の中がぽかぽかして温まってくるような感じがします。私が最近ハマっているのはワカメの味噌汁にすりおろし生姜を入れたものです。おいしいですよ。

そのほかアーモンド、クルミなどの木の実もあります。これらは最近流行りの抗酸化作用もあってアンチエイジング効果も高い食材です。

(この項つづく)

※本記事は、2017年に公開した記事に加筆・修正を加えたものとなります

構成/石田佳子


川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」と言うコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
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