スポーツマンシップを今こそ考えよう




体罰、ハラスメント、差別、ドラッグ、SNSも含めたいじめ……などなどスポーツ界の問題が取りざたされる昨今ですが、2020東京オリンピック・パラリンピックを目前に、真剣にスポーツマンシップを考える書籍が発売となります。

2020年2月3日に東洋館出版社がら発売となる『スポーツマンシップバイブル』(著:中村聡宏)は、五輪イヤーこそ再認識したい〝スポーツマンシップ〟の重要性を説いた一冊です。

なぜ今、スポーツマンを育てなくてはならないのか?

スポーツの本質的価値は、スポーツマンシップを理解し実践できるスポーツマンを育てる場であるということです。本来、人材教育において大変有効なソフトとなりえるのが、知性、精神、肉体を一致させてバランスのとれた行動をとることが求められる〝スポーツ〟にあります。

だからこそ、「スポーツマンシップ」を十二分に理解し、実践できるような教育を充実させていくことは、スポーツにとって重要なことです。また現代社会における諸問題を解決するキーワードとしての「スポーツマンシップ」の重要性を、今こそ考え直しましょう。なぜいま、スポーツマンを育てなくてはならないのか――。スポーツの本質的価値は、スポーツマンシップを理解し実践できるスポーツマンを育てる場であるということです。

五輪開催前にスポーツマンなら誰もが心得ておきたい3つの気持ち

今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。スポーツ界も大いに盛り上がっていくでしょうが、日本スポーツマンシップ協会で掲げられているスポーツマンとしての心得3か条は、スポーツに携わる、スポーツを愛する人が知っておきたい重要な部分です。

◆尊重(Respect)……プレーヤー(相手、仲間)、ルール、審判に対する尊重
◆勇気(Braveness)……自ら責任をもって決断・行動・挑戦する勇気
◆覚悟(Resolution)……勝利をめざし、自ら全力を尽くして愉しむ覚悟

スポーツマンシップが発揮された事例から、その重要性を説く

本書では、スポーツマンシップが実践された事例をいくつか紹介。たとえば、2018年平昌オリンピックのスピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手は、オリンピック新記録の滑りで首位に立つと、口元に人差し指を立て「静かに」と満員の観衆に対して促しました。それは同種目でオリンピック3連覇を狙うライバルである地元・韓国の李相花選手をはじめ、後に滑る選手たちへの思いやりでした。全選手滑走後、金メダル獲得が決まりウイニングランをしていた小平選手は、銀メダルに終わり泣き崩れる李選手を見て近づくと彼女を抱きしめ、「チャレッソ(韓国語で「よくやった」の意)」と声をかけたと言います。それに対し李選手も「ナオこそ、チャレッソよ」と答え、健闘を称え合いました。「大切な友人」と互いに認め合う両者のすがすがしい立ち居振る舞いは、メディアやSNSなどでも大きな話題になりました。こうした事例以外にも、さまざまなスポーツのシーンを切り取りながら、スポーツマンシップの重要性を説いていきます。

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【目次】
第1章 スポーツとはなにか
第2章 スポーツマンとはどんな人か
第3章 スポーツマンシップとはなにか
第4章 尊重とはなにか
第5章 勇気とはなにか
第6章 覚悟とはなにか
第7章 なぜルールがあるのか
第8章 スポーツマンシップという原理原則
第9章 たかがスポーツ、されどスポーツ
第10章 すべてはプレーヤーのために
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[著者略歴]
中村聡宏

一般社団法人日本スポーツマンシップ協会 代表理事
千葉商科大学 サービス創造学部 専任講師

1973年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。印刷会社に入社し、スポーツポータルサイト「スポーツナビ」立ち上げのプロジェクトに関わるなど、広告、出版、印刷、WEB、イベントなど多分野の企画・制作・編集・運営等業務に従事。独立行政法人経済産業研究所では広瀬一郎上席研究員とともに、サッカーワールドカップ開催都市事後調査、「Jリーグ発足時の制度設計」調査研究プロジェクトなどに参画。また、スポーツビジネス界の人材開発育成を目的としたスポーツマネジメントスクール(SMS)を企画・運営、東京大学を皮切りに全国展開。2015年千葉商科大学サービス創造学部専任講師に就任。2018年一般社団法人日本スポーツマンシップ協会を発足し、代表理事に就任するなど、スポーツマンシップ教育を展開する。

[書籍情報]
書 名:スポーツマンシップバイブル
著 者:中村聡宏
判 型:A5判
頁 数:208
発売日:2月3日
価 格:1800円
I SB N:978-4491039732
発行元:東洋館出版社
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