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“普通のOL”がプロカードを獲得。福田志保が驚異の勢いで「マッスルコンテストジャパン」ビキニの頂点へ

「仕事と両立する必要があったので、トレーニングのプランやメニューなど、自分がやると決めたことは言い訳をせずに毎日欠かさずにやってこられたこと、これが結果につながったのかなと思います」

福田志保は、出場選手や観客のほとんどが帰路につき、静かになった大会後のロビーで穏やかにそう話す。人生最大ともいえる興奮の瞬間からしばらく経ち、落ち着きを取り戻しているようではあるが、第一声はやはり「とにかく信じられない」と。その表情に、この「マッスルコンテスト」の醍醐味が詰まっているような気がした。

2/11(火・祝)、カルッツかわさきにて行なわれた「マッスルコンテストジャパン」は、世界の有力選手が集うIFBBプロリーグはもちろん、初心者大歓迎のノービスと呼ばれるクラスも設けられている、幅広い楽しみが詰まったイベントだ。約4年前に体を鍛えはじめ、「トレーニングを続けるためのモチベーションになるものや目標を何か作らないと、惰性でやってしまいそうだった」と感じていた福田は、昨年の秋に大会出場を決意。ビキニの選手として準備を進めてきた。

彼女のデビュー戦となったのは、「マッスルコンテストジャパン」の予選的位置づけとなった「マッスルコンテスト東京」(1/13開催)だ。この大会で初のステージに立った福田は、美しく鍛え上げられた体と、とても初めてとは思えないほど堂々とした姿を披露し、ノービス、ノービスのオーバーオール(総合優勝)、オープン(一般)、そしてオープンのオーバーオールのタイトルをなんと総なめ。初出場にしていきなり4冠を獲得し、次なる目標として、「マッスルコンテストジャパン」に照準を定めることになった。

「東京大会では思ったようなステージングができなかったので、とても悔しかったんです。だからそのリベンジ、前回を超えるのを目標にこの1ヶ月やってきました」と話す彼女は、この日もまずはノービス(クラスC=167.6cm以下級)で優勝。好スタートを切ると、オープン(クラスE=170.2cm以下級)も制し、各クラスの優勝者が集うオーバーオール審査へと駒を進めたのだった。

堂々としたステージングで頂点に立った

「マッスルコンテストジャパン」での各カテゴリーのオーバーオール優勝者には、その地位と名誉に加え、IFBBプロリーグ認定のプロカード(IFBBプロリーグ各コンテストへの参加資格)が与えられる。ここで頂点に立てば、その名の通りビキニの「プロ選手」としてコンテストに出場する資格が得られることもあり、多くの選手にとって憧れの場所だ。

つい1ヶ月前に初めてステージに立ったばかり。日本人選手はもちろん、外国人選手も同じステージに立っている独特の雰囲気……いやがおうにも周りの選手や順位が気になるだろう大舞台。だが彼女は、意外にもそれを苦にしていなかった。

「正直、自分と他人の体を見比べて、“いける”“いけない”という感覚とか感情がいっさいなかったんですよ。オーバーオールのステージでは、最後に自分がスイッチして(※比較審査において審査員の指示により立ち位置の入れ替えが行なわれること)センターに移動していたらしいんですけど、センターに立っていることすらも実は気づいておらず、隣が誰なのかも意識していなくて。ステージに立つことに集中できていました。これまでの中で一番リラックスできて緊張せずにステージに立てたので、それが結果的に良かったのかなと思います」

外国人と並んでも引けを取らない美しいボディを披露

審査中に見せていた自信にあふれた笑顔から一変、表彰式で自らの名前が呼ばれると、驚きの表情を浮かべて優勝者に与えられるIFBBプロカードと、「マッスルコンテスト」の象徴となっている“刀”を受け取った福田。あれよあれよという間に女王の座へ昇りつめた彼女は、どんな未来予想図を描いているのだろうか。

「もう予想外というか、想定外の出来事すぎて何と言ったらいいのか……。普段はOLとして普通に働いている私がプロカードなんて手に入れて、本当に私のことなのかな?という感じですし、今はどうしていいかわからないんです。とりあえず少し休憩した後に、ポージングをみていただいている宮田みゆきさんと一緒に、今後のことは考えていこうと思います」

普通のOLにして、IFBBプロカードを獲得

日本ではなかなかお目にかかれない、驚異の肉体を目にすることができるのは「マッスルコンテスト」の魅力ではあるが、彼女のように“普通の人”がその努力によって駆け上がっていく姿を楽しむことができるのも、また「マッスルコンテスト」の魅力でもある。次に福田志保のようなシンデレラストーリーの主役になるのは、観客席から彼女を見ていたあなたかもしれない。

文・写真/木村雄大