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ジムに行ったら、何からやればいいですか?




「筋トレを始めたいが何からやっていいのかわからない」といった初心者の疑問から、マニアにも役立つ知識まで、骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生にきいてしまう連載企画。第2回は、ジムに通うようになったら、どんなトレーニングから始めるべきかという疑問。

大きな筋肉から鍛えていくのが効率的

よく言われるのは”ビッグスリー”と呼ばれるバーベルを使ったベンチプレス、スクワット、デッドリフトから始めるのがいいということですが、これは必ずしも誰もに当てはまることではありません。その人が何を目指していて、どこを鍛えたいかにもよりますし、体力レベルによっても何からするべきかは異なりますので。

1ついえることは、運動が苦手な人ほど、バーベルを使うフリーウエイトよりも、運動の軌道がある程度決まっているマシンを使ったほうがいいということです。バーベルは動きの軌道を自分でコントロールしなければなりませんし、その動かし方次第でどこの筋肉に効くかも変わってきてしまいます。上級者であれば、自分でコントロールもできますが、不慣れな人には難しい。それならば、ある程度の力が付くまではマシンに乗ってしまったほうが早いと思います。

動かす軌道の決まっているマシンは初心者でも扱いやすい。© djile-Fotolia

もちろん、高いレベルを目指す人であれば、バーベルの軌道を自分の力で精密にコントロールすることもトレーニングの大切な技術ですので、それを早く身につけるという意味でフリーウエイトから始めたほうがいいと思います。先程、マシンからやったほうがいいと言った人たちも、それとは別にダンベルやバーベルに慣れ親しむ時間は作ったほうがいいでしょうね。ゆくゆくは使えるようになったほうがいいものですから。

メニューとしては、胸や脚、背中といった大きな筋肉から鍛え始めたほうが、トレーニングの成果を実感できるでしょう。ビッグスリーはその3つの筋肉を鍛えるメニューですので、それから始めるのがいいといわれる理由はそういうところにもあります。

しかもベンチプレスであれば、胸だけでなく腕や肩、デッドリフトも背中に加えて足腰、スクワットも脚と体幹など大きな筋肉だけでなく小さな筋肉も鍛えられます。大きな筋肉から始めて、小さな筋肉で終るというのが流れとしてはいいでしょう。

ビッグスリーの1つに数えられるデッドリフト

バーベルを用いるメニューとしては、
●ベンチプレス
●スクワット
●デッドリフト
●ベントオーバーローイング
辺りから始めるといいと思います。時間がもう少し作れるなら、
●ショルダープレス
●バーベルカール
●フレンチプレス
などを加えましょう。ただ、初心者はあまり多くの種目をやりすぎないほうがいい。種目の数が増えると、1つずつの熟練度が上がりませんので。

上で紹介したのは、バーベルを使った種目ですが、マシンでも同じ動作ができるものがありますので、マシンをメインに使う場合でも、同様のメニューを中心に組み立てるのがいいでしょう。

真面目にトレーニングに取り組んでいる人ほど、バーベルやダンベルにこだわってマシントレーニングを下に見るような傾向がありますが、これから始める人はそういうのは気にしなくていい。バーベルを使うのが難しいなら、マシンを使えばいいんです。

ビッグスリーはそれぞれ素晴らしいトレーニングではありますが、全ての人がそれから始めなければいけないわけではないですし、昔の物がなかった時代と違って、今は良いマシンがいっぱいあります。“いいカラダになる”という目的が達成されるのであれば、ダンベルやバーベルにこだわる必要はないと思います。

※本記事は、2017年に公開した記事に加筆・修正を加えたものとなります


岡田隆(おかだ・たかし)

1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。16年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『2週間で腹を割る!4分鬼筋トレ』(アチーブメント出版)『バズーカ式【超効率】肉体改造メソッド』(池田書店)など著書多数。
バズーカ岡田オフィシャルブログ