“餃子耳”には種類があります【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第107回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 連日、新型コロナウイルスのニュースばかりで嫌になってしまいますね。

今回は気分を変えて新型コロナウイルスとはまったく関係のない内容でお届けます。3月3日が耳の日だったこともあってか、1年前に書いた耳の日コラムのアクセスが急上昇しています。餃子耳について興味がある人は意外と多いのだなと感じました。実際、耳がわいている(=潰れていることを業界用語で「わく」と言います)のに気づいた人には、「それ(耳)どうなってるの?」と聞かれることが多々あります。どうなっているかは、前回のコラムを参考にしていただくとして、今回は餃子耳を種類別に紹介しましょう。

餃子耳を種類別に説明するにあたって、まずは耳の各部位の呼び名を整理しておきましょう(写真)。本来はもっと細かく呼び名がついていますが、餃子耳を説明するにあたって、最低限、耳輪(じりん)、対耳輪上脚(ついじりんじょうきゃく)、対耳輪下脚(ついじりんかきゃく)、耳甲介(じこうかい)、耳垂(じすい)の5つを覚えておけば良いかと思います。

一口(食べるわけではない)に餃子耳と言っても、人によってわき方が異なり、その強度も違います。しかし、耳垂、いわゆる耳たぶの部分は、わいている人を見たことがありません。専門家ではないのでそのメカニズムまではわかりかねますが、基本的にわくのはそれ以外の部分と考えて良いでしょう。

最初に紹介するのが、「対耳輪無傷型」(勝手に命名)。これがレベル1です。ご覧の通りパッと見は餃子耳感がなく、強度(硬度)も人並みです。

このタイプは耳甲介部分だけがつぶれていて、耳輪や対耳輪部分が無傷であるため、普通に見ていたら餃子耳の一種だと気づかないと思います。実は私の右耳もこのタイプで、耳の穴付近がわいています。「対耳輪無傷型」は、見た目は普通に見える反面、中側にはダメージを受けているので、ワイヤレスイヤホンが入りにくく、すぐに落ちてしまう危険性があるというデメリットがあります。

続いてレベル2は「耳輪生き残り型」(勝手に命名)。私の左耳がこのタイプです。

耳輪はうっすら生き残っていますが、対耳輪(上脚・下脚)がわいているため、レベル1よりは餃子感があり、強度も増しています。個人差はあると思いますが、レベル2になると、耳が切れそうな寒さの日でも、冷たさに耐えられる強さを持っています。私の場合、レベル1の右耳は冷たさを感じますが、レベル2の左耳は冷たさをあまり感じません。

 

そして最強レベルのレベル3は「具だくさん型」(勝手に命名)。餃子の皮から具があふれだしそうな見事な餃子耳です。

あまりにも耳がわきすぎて耳輪がなくなってしまうのがこのタイプ。対耳輪部分が盛り上がり、レベル1、レベル2をはるかに凌駕する迫力です。レベル3の友人に聞くと、もはや寒さは感じないと言います。もちろん、強度もかなりのもので、髪を切るときに美容師さんが耳を曲げようと思っても、簡単に曲げることはできません。強力な耳ではありますが、「具だくさん型」になると、内側もわいている場合がほとんどなので、イヤホンは完全に無理です。諦めが肝心。

このように餃子耳は、大きく部類すると三つのタイプに分けられます(勝手に分類しただけですが)。最後に一つお知らせしておくと、レスリングでも柔道でも、餃子耳の強度と選手の強さは必ずしも比例するものではありません。というわけで今日は餃子を食べに行きます。それではまた来週。

 

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。