【バズーカ岡田流】ピンチをチャンスに変える家トレ #01 ~自重トレでさらなる進化を~




新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、外出自粛が続く現在。ついつい体がなまりがちになりそうな状況でも「いい体をつくることはできます」と断言するのは、当サイトでもおなじみのバズーカ岡田先生。自宅でできる自重トレーニングをはじめ、栄養、休養の観点でもアドバイスをいただきました。

■自重トレーニングは全身の筋肉を刺激できる

新型コロナウイルスの影響で自宅にいることが増えて運動不足になり、体が甘くなっていると感じている方も多いのではないでしょうか? 今回はそういった悩みを抱える方々に向けてお話をさせていただきます。

テレワークが続くと、通勤で歩くことや人と会って話すことなどが、いかにエネルギーを消費していたか、体にインパクトを与えていたかが実感できると思います。

私たちボディビルダーは、1日10分の有酸素運動を週に3日行なうだけで絞れます。ビルダーは普段からそれ相応の生活をしているので、たったそれだけの上積みで痩せるのです。というより、日常に少しだけ運動を上積みすれば絞れるし、ベースを削ってしまえば甘くなるのです。

働く方々で言えば、日常の仕事や電車通勤などの移動がベースに当たります。たとえ歩く距離は短くても、なくなれば体が甘くなっていってしまうのです。外出自粛が解除された暁には、エスカレーターやエレベーターに乗っていたところを階段にする、通勤時はひと駅余分に歩くなど、日常生活にほんの少しの運動を加えることで、これまでの体を早く取り戻してほしいと思います。

とはいえ、まだまだ外出自粛が続いていますので、今回は家の中でできる自重トレーニングを紹介したいと思います。そうでないと、体力はどんどん落ちてしまい、戻すのが大変になってしまう。

「家トレ」と聞くと、ジムのトレーニングより強度が低くて効かないと思われる方も多いのではないでしょうか。ですが、体操選手の体を思い浮かべてみてください。均整の取れたすごくいい体をしていますよね? 自重トレーニングでつくった体の究極系はあれです。自重トレーニングをやり込めば、みなさんの体ももっと進化するはずです。

自重トレーニングのメリットとしては、いろいろな部位に同時に負荷がかけられることが挙げられます。マシントレーニングはパットに体を預けて行なうものも多いので、休むパーツも多くなります。しかし、自重トレーニングは自分の筋力で自分の体を支えながら、押したり引いたりしなければいけません。これによって、全身の筋肉を刺激することができます。これは、マシントレーニングではあまり出せない効果です。

また、バーベルベンチプレスやダンベルベンチプレスでも、寝転がると肩甲骨がベンチ台に押しつけられます。そうなると肩甲骨を自分の筋力でコントロールする必要がなくなるため、大胸筋は強く刺激できていても、前鋸筋や小胸筋など肩甲骨をコントロールする筋肉が鍛え漏れてしまうケースもあります。

バーベルやダンベルでよく鍛えている人でも、腕立て伏せなどの自重トレーニングをすると、意外とすぐにバテてしまったり、翌日に普段は感じない疲労感や筋肉痛が起こることがあります。そういう意味では、自重トレーニングは鍛え漏れの部位を知る、いい機会と言えるかもしれません。

もちろん、マシントレーニングやバーベル、ダンベルには、ひとつのパーツに集中的に重い負荷がかけられるというメリットがあります。ただ、すべてのパーツにまんべんなく負荷を入れられるかどうかは、また別の話なのです。

みなさん、限られた時間の中でトレーニングをしていると思いますので、部分的に効きやすいダンベルやバーベル、マシンに傾倒してしまう気持ちはよくわかります。

しかし、自重トレーニングも並行して行ない、鍛え漏れをなくしていくほうが、体全体で見た時の最終的な到達地点は高くなると思います。

次回からは、自宅でできる自重トレーニングの具体的なメニューを紹介していきます。

岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。2016年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。また、日本体育大学バーベルクラブの顧問を務めており、『第54回全日本学生ボディビル選手権』(2019年)では団体、個人全てにおいて優勝に導いた。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『ビジネスパーソンのための筋肉革命 体と人生が変わる最強かつ最高のメソッド70』(KADOKAWA)、『マンガでわかる 脂肪だけを狙って落とす!除脂肪ダイエット』(ナツメ社)、『栄養で筋肉を仕上げる!無敵の筋トレ食』(ポプラ社)など著書多数。
岡田隆公式サイト
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