外出自粛中の筋肉の衰えを防ぐ、いや、むしろレベルアップを狙うバズーカ岡田先生による集中講義! 最終回の今回は、休養(睡眠)と有酸素運動に関するアドバイスです。
ここまで運動(トレーニング)、栄養(食事)のお話をしてきましたが、休養(睡眠)も大切です。睡眠にまさるサプリメントはありません。
外出時間が減っている現在、睡眠時間の確保は比較的容易だと思います。たくさん寝られるだけでもアドバンテージなので、最低6時間は寝てほしいですし、8時間寝ればだいぶ体の状態は違ってくると思います。
「こんなに体って軽かったんだ」「頭ってこんなにすっきりするんだ」ということを、今回の外出自粛期間でぜひ実感してほしいですね。忙しくなってからも、睡眠を大切にしようと思えるような期間にしてください。
睡眠は量に加えて、質も重要です。
いびきが多い方や睡眠時無呼吸症候群の方は、寝ている間に過度な呼吸をしいられ、睡眠が浅くなります。そういった自覚がある方は、枕を変えていびきが出ないような環境設定にしてみてください。枕は寝具屋さんに行けば調整できますし、もしも店舗が休業中であればインターネットで寝やすい枕を探すこともできると思います。
また、長く家にいるとついついスマートフォンを触っている時間が長くなりがちです。背中を丸めてあごを突き出し、細目で見る。ずっとこの姿勢でいると、体が固まります。最低でも一日に一回はストレッチをして筋肉の柔軟性を取り戻し、骨を良い位置に戻しましょう。
体が固まったまま他の行動を取ると痛みにつながることもありますので、できればスマホを見て次の行動に移る時は、その都度ストレッチでリセットすることをオススメします。
最後に、おまけで有酸素運動もご紹介します。
可能な範囲で散歩をしてみてください。ただ散歩するだけではなく、1分間早歩きして3分間歩く、1分間早歩きして3分間歩くというように、緩急をつけると脂肪除去や心肺機能(心臓、血管、肺)の効果がより上がります。
歩く距離を決める際に参考になるのは、自分の体です。しばらく続けてみて、絞れてきていると感じれば十分歩けていることになりますし、体に変化がないのであれば、プラスマイナスゼロということになります。逆に体が甘くなっていくのであれば歩く距離が足りないということです。
ずっと歩くだけではつまらないので、たとえば公園まで歩いて鉄棒で懸垂や斜め懸垂をしてみたり(使用禁止になっていなければ)、家ではなかなかできないジャンピングスクワットをしてみたり、公園でならできるトレーニングをしてからまた歩くのもいいと思います。三密を避けるため、人があまりいない時間帯に試してみてください。
岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。2016年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。また、日本体育大学バーベルクラブの顧問を務めており、『第54回全日本学生ボディビル選手権』(2019年)では団体、個人全てにおいて優勝に導いた。骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『ビジネスパーソンのための筋肉革命 体と人生が変わる最強かつ最高のメソッド70』(KADOKAWA)、『マンガでわかる 脂肪だけを狙って落とす!除脂肪ダイエット』(ナツメ社)、『栄養で筋肉を仕上げる!無敵の筋トレ食』(ポプラ社)など著書多数。
岡田隆公式サイト
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