カラダの再馴化のために【カラダ美人講座】




新型コロナウィルスと共存しながらの生活スタイルで日常が復活しつつありますが、約2ヵ月ほどの自粛生活による新たな「習慣」は、「カラダの変化」「心の変化」を知らず知らずのうちにじわじわ生み出してきました。

もちろん、いい意味での「馴化(じゅんか)」であればよいのですが、カラダにとっては、活動不足によるあまりよろしくない意味での馴化と言えそうです。このように“徐々に染みついてくるタイプ”の変化は、じつ自身の想像をはるかに超えていることも多く、正しく自覚することが難しいゆえ、とても厄介なのです。

この変化に気づかないまま、この先の時を過ごすということは、未来のリスクを高めてしまう結果となる恐れがあります。

ところで、私は職業柄、ヒトのカラダの歪みに対して人一倍敏感に反応してしまいます(/ω\)
「あ~、この人、肋骨から骨盤の長さが左側のほうが右側より狭くなってしまっている。正しく整えたい!」と(笑)。
ところが、当の本人には、歪んでいるなんていう意識はまったくありません。

例えば、「正しい姿勢をとってみてください」と言うと、私にしてみれば、右のほうに若干傾いているから「つむじを上に引っ張り上げるようにして自身の軸を感じてみてください」とアドバイスするのですが、「これで真っ直ぐですか? 本当に? 私は、こっちのほうが真っ直ぐだと思うんですが……」と、感覚的に違和感を覚えるのです。

なぜか。

その歪んだ姿勢こそが正しいと脳が記憶しているから。

そこで、私たちは筋膜・軟部組織にアプローチすることによってカラダのバランスを整えていくのですが、言ってみれば、それは人の手によって再度の馴化を促す方法ということになるでしょうか。筋膜へのアプローチは、そのようなカラダの変化を認識(自覚)するためにはとくに有効な手段であると言えるでしょう。

つまり、無理やり真っ直ぐにしようとすると脳は絶対に拒否するけれども、リリースによって徐々に整えていくと、脳は嫌悪感を覚えることはなく私たちのアプローチを素直に受け入れてくれます。言い換えれば、心地よい状態で真っ直ぐであることがとても重要であるということなのです。

筋膜・軟部組織へのアプローチ(マッサージ)は、自身の変化を「①気持ちよく」「②正しく」「③驚く実感」で認識することができる手段だと私は考えています。それによって、気持ちよい未来の方向を見誤ることなく舵を切っていただきたいと願っています。

歪みや凝りは、放っておいたままだと次第にカラダの深部にまで及んでくるもの。そうなってしまうと、元通りにするための馴化にも時間がかかるものです。

どうかカラダにとって「善は急げ!」を心がけていただければ幸いです。

山本康子(やまもと・やすこ)

鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、コンディショニングセラピスト。施術キャリアは30年。日本代表チームのトレーナーとしてトップアスリートのボディコンディショニングを手掛けてきた。その間、約6年に渡り外国人トレーナーと共にヨーロッパなど各地を転戦した経験によって、日本にはないスピリットを強く感じ、施術テクニックはもちろんのこと、人として現在もなお進化すべく努力を続けている。2004年に、アー・ドライ治療院、2013年に筋膜リリース専門のスカンディックケアを開業。施術者の育成と労働環境整備にも力を注ぐ。

Scandic care (スカンディックケア)
〒162-0056 東京都新宿区若松町10‐1 YSビル2 F
Tel. 03-3208-2543
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営業時間:平日. 11:00 ~ 21:00、土日祝. 11:00 ~ 20:00
公式HP

アー・ドライ治療院(新宿区)
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取材/光成耕司