サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。第22回は、ダイエット向きのサプリメントを選ぶコツについて。
■運動や食事との兼ね合いも大きい
ダイエット向きのサプリメントは、店頭でもたくさんの種類を見つけることができます。逆に種類が多過ぎて迷うくらいではないでしょうか。
仮に「脂肪を減らす」という発想でダイエットを考えた場合、脂肪は「分解」「運搬」「燃焼」というプロセスを経て、エネルギーへと変換されていきます。サプリメントもこれに呼応する形で、脂肪の分解、運搬、燃焼といった作用を持つ成分で分類することができます。
他には、脂肪の燃焼促進や吸収を阻害するといった素材があります。
一例を挙げれば、脂肪の燃焼ではコレウス、カフェインなど、運搬ではL-カルニチン、燃焼ではHCA(ヒドロキシクエン酸)などです。燃焼促進はヒハツやイチョウ葉エキス、吸収阻害は白いんげん豆抽出物、桑の葉、ギムネマ、キトサンなどが代表的と言えます。
また、これらの素材を単独で配合するのではなく、それぞれの目的に応じて複合的に配合しているサプリメントも多いです。
問題はこれらのサプリメントに効果があるか否かです。
結論としては、ある程度の効果はあると言えます。
つまりそれぞれの素材を実験のレベルはまちまちとはいえ、何かしらの形で行ない、成果を確認しているからです。多くのヒトで行なった実験もあれば、動物試験レベルものもありますが、まったく裏付けのない素材はないでしょう。
ただし、だからと言って飲むだけで効くというほど効果があるものも、逆にないと言えます。とくに「飲むだけで〇〇㎉カット」などという謳い文句は、あまり鵜呑みにしないほうがいいでしょう。
やはりトレーニングなどの運動の要素や、ある程度の食事の制限など、サプリメント以外の要素との兼ね合いが大きいのです。またダイエットや減量が相当に進んでいて、例えば体脂肪率が一桁台のヒトよりもダイエット初期のヒトのほうが効果は出やすいでしょう。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。