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澤木一貴氏に聞く、昨今のパーソナルジム事情〈後編〉【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第135回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 10月に入りましたが、まだまだ半袖シーズンは続きます。さて、前回に引き続き、SAWAKI GYM代表の澤木一貴さんのお話をお届けしていきます。

 

澤木さんは6月1日に3店舗目となる沖縄北谷店をオープン。このプロジェクトが動き始めたのはコロナ以前、昨年12月のことでした。もともと自身が沖縄好きだったことに加え、二十歳のときに働いていたフィットネスクラブの同僚が沖縄在住だったこともあり、直感で決めたと言います。

 

「僕にはジムありきで人を雇うという発想はありません。かつての同僚が沖縄に居たので、働けるスタッフがいるということで、これならできると思ったんです。僕自身も毎月お手伝いには行くからということで動き始めました。コロナが騒がれ始めた2月に物件を見にいって、海の近くのすごくいい場所を確保できました。『こんな時期に大丈夫?』と多くの方に心配されましたが、動き出したら止まれない性格なんです。当初は5月1日だった予定を1カ月遅らせてオープンしました。状況的に大々的な宣伝はできませんでしたが、会員の方も少しずつ増えてくれているので、始めて良かったなと思っています」

 

ジムのオープンにあたり、沖縄のパーソナルジム事情を調べたところ、本島だけで約100店舗ものジムがあることを知り、そのうちの約50店舗の料金を参考にSAWAKI GYM沖縄北谷店の料金を設定したと言います。沖縄にもこれだけの数のパーソナルジムがあるというのは正直言って驚きでした。澤木さんいわく、個人でパーソナルジムを始める人は3つのタイプにわけられるとのこと。

 

「現在、個人でパーソナルジムを始める方の傾向は大きくわけて3つあると思います。一つはライザップさんや24/7ワークアウトさんのような大手パーソナルジムからの独立型。他にはNESTAのようなトレーナー養成コースを経てという資格取得型。そしてもう一つはコンテストで結果を出した方が始める、コンテスト入賞型です」

 

では、これからパーソナルトレーニングを始めたいという方がパーソナルジムを選ぶ場合には、どのタイプがいいのか? 澤木さんの「トレーナーとトレーニーは別物」という言葉にヒントが隠されているような気がします。

「トレーナーとトレーニーは別物なのですが、現在はこの二つが混在しています。一般のお客様は、カッコイイ体の人がいいトレーナーだという認識を持ちやすい。でも、必ずしもすごい体をしたトレーナーがいいトレーナーとは限りません。トレーニーの延長のようなトレーナーさんの場合は、自分の経験値に頼った指導になり、どうしてもボディメイクが中心になりがちという傾向があります。それだとケガをさせてしまう恐れもありますし、初心者の方には合わない場合もあると思います。パーソナルトレーニングには、人それぞれの目的があります。高齢の方の健康づくりや転倒予防だったり、子どもの運動能力向上だったり、ダイエット目的だったり、いろいろなものが求められます。ボディメイクもそのうちの一つですが、それ以外のことをやっていくのが本来の仕事だと僕は思っています。トレーナーが良い体であるに越したことはないですけど、そこが絶対ではないということです」

 

確かにカッコイイ体には憧れます。しかし、運動習慣をつけて健康に過ごしたいと思っているだけ人が、いきなりボディビルを目指すようなトレーニングをしても、長続きするわけがありません。自分が何を目指すのか目的を決め、そのための必要な情報を提供してくれるトレーナーを見つけることが大事。これからパーソナルトレーニングを始めようと考えている方は、自分が何を目指すのか目的を明確にして、自分に合ったトレーナーを見つけることが大事。それがトレーニングを長く続けていくための一番の方法になると思います。パーソナルトレーニングジム選び、パーソナルトレーナー選びの参考にしてみてください。

 

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。