サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第43回は、プロテインのタンパク質含有率について。
■純度の低いプロテインにもメリットあり
一般的に、ホエイプロテインは純度90%前後ものをWPI(ホエイ・プロテイン・アイソレート)、80%以下のものをWPC(ホエイ・プロテイン・コンセントレート)として分類しています。
もともとは製法による分類だったものですが、CFM製法のように膜処理であっても純度の高いプロテインが登場したことで、現在では純度で呼び方を区別しています。
プロテインを摂取する最大の目的は、良質なタンパク質を的確に取り入れることですから、その点においては純度の高いプロテインは理にかなっています。プロテイン=タンパク質ではなく、あくまでもタンパク質の摂取量は飲んだプロテインにその純度を掛けたものですから。
また、乳糖不耐症のように乳糖が原因でお腹がゴロゴロする人にとっても、乳糖がほとんど含まれないWPIは好都合と言えます。
ただし、純度の低いプロテインはNGかと言われれば、そうではありません。何と言っても価格の面で、WPCは圧倒的にリーズナブルです。学生であったり、まだ若いうちはWPCでも十分だと思います。味のバリエーションが豊富という点もWPCの魅力です。
昔と違って、今はプロテインもおいしいと言われる時代です。ガマンして飲むのではなく、プロテインのおいしさを楽しむと言っても過言ではありません。とくにトレーニング後のプロテインなどは、ちょっとしたご褒美感覚と言ってもいいのではないでしょうか。もしそのフレーバーに飽きがきたら、また別のフレーバーを探せばいいのです。
お腹がゴロゴロする人にはWPIがおすすめと言いましたが、じつはWPCも乳糖はほとんど取り除かれていますから、乳糖不耐症の人でなければまず大丈夫だと思います。牛乳から乳糖の大半を分解した製品よりも、さらに乳糖の含有率は低いくらいです。
ちなみに私は、プレーン味がベースのWPIを飲むのですが、そこへの味つけとして1~2スクープ分の味つきのWPCを追加しています。1袋が終わると、次は何味にしようか楽しみながら選んでいます。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。