VITUP!読者の皆さん、はじめまして。今回から連載を担当させてもらうことになりました、格闘家の渡辺華奈です。連載1回目は私が何者なのか?ということを知ってもらうため、カンタンに自己紹介をさせてもらいたいと思います。
現在はRIZINさんやDEEPさんなどでMMAの試合をさせてもらっています。自分の格闘技の原点は柔道で、小学1年生のときから始めて22年間、オリンピックを目指して競技を続けてきました。
高校時代はインターハイ2位、アジアジュニア優勝、大学でも全日本ジュニア優勝という成績を残すことができ、実業団でも“仕事”として柔道に取り組んでいました。現在は、夏は短パン&Tシャツ、冬はジャージかスウェットみたいな服装が当たり前となっている自分ですが、当時は普通のOLさんみたいに、スーツに準じる服装で出社していました。パンプスを履くと足が臭くなるので、それが何より嫌でしたね(笑)。
2016年、個人戦で会社の期待に添うような結果を出せず、会社からはコーチへの転身の打診がありました。年齢も30歳に近づいていたこともあって、言い方を換えると引退勧告です。会社に残ればコーチとして柔道に携わりながら収入も得られる安定した生活があります。だけど、自分にはまだ競技を続けたいという思いがあって、思い切って退社して格闘家に転身しました。
今は試合と練習が仕事なので、一日2回、または3回練習をしています。練習内容のことは、これからの連載でいろいろ紹介していけたらと思っています。実業団時代も柔道の練習と試合が仕事だったのに、今とはずいぶん違うような気がしています。何が違うんだろう?と自分なりに考えてみました。
まず何より今は練習が楽しい。柔道時代は休みたいとか、嫌だなと思うこともあったのですが、MMAをやるようになってからは、さぼったり、練習を休みたいと思ったりすることはありません。MMAは打撃やレスリング、投げ技、寝技とやることが多く、練習時間がいくらあっても足りないと思うくらいです。
一番大きな違いは、自分で考えてやるということだと思います。柔道時代もやらされていたわけではないのですが、今考えると、練習のノルマを課せられているというか、「やりたい」よりも、「やらなければいけない」という気持ちが大きかったと思います。日々の練習をこなすという感じで、現在のように課題をもってやろうという感覚ではありませんでした。それが、柔道でもう一つ上までいけなかった要因なんじゃないかなと思っています。その時は一生懸命やっているつもりではいたけど、今になって考えてみると、甘かったのかなと思います。
自分のアスリート人生は、本当ならコーチ要請を受けた時点で一度終わっています。だから今は、自分にとってボーナスステージみたいなものなんです。柔道では夢叶わずに終わったはずだったのに、こうして形を変えて夢を追いかけさせてもらえるのは本当にありがたいことです。せっかくいただいたチャンスを無駄にしたくないんです。柔道でひとキャリア終わってしまっているので、20代の選手と比べたら先は長くないかもしれない。だからこそ、少しの時間も無駄にしたくないと思って日々、練習に取り組んでいます。
今年は新型コロナウイルスの影響もあって、なかなか試合ができない状況が続いています。そうしたなかでも自分の目標は、世界に挑戦していくこと。海外のトップファイターとしのぎを削って、世界のトップを目指していきます。
結構真面目な自己紹介になってしまいましたが、これからよろしくお願いします。毎月10・20・30日と(2月は考えます)と、0のつく日に更新予定なので、「0のつく日は渡辺華奈の日」と覚えてください。
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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。MMAデビューから無敗の快進撃を続けている。所属はFIGHTER’S FLOW