サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第62回は、同じ炭水化物である米、パン、麺の中で、太りやすいもの、太りにくいものは何か?という疑問について。
■「GI値」の数値がポイント
パンは一般的には脂質を多く含んでいるので、ベーグルなどの一部を除けばカロリーを摂り過ぎてしまう可能性はあります。結果的には太りやすいと言えるかもしれません。
糖質の中で比較する場合は、他にもGI値の差が太りやすい差になっていきます。GI値は糖質の吸収スピードを指数化したもので、高いとインスリンの分泌が促進されるため太りやすくなります。
同じ米でも白米は玄米よりもGI値が高く、うどんのほうが蕎麦よりもGI値は高くなります。食物繊維を多く含むとGI値は低くなりますので、GI値が高い糖質を摂る際には食物繊維が豊富な食材を一緒に食べるといいでしょう。
最近はGL値という指標も注目されており、単にGI値だけではなく、そこに実際の糖質の量を掛け合わせて考えましょうという発想です。GI値は高くても、含まれる糖質の量が少なく水分だらけであれば、決して太りやすい食材にはなりませんから。
他には、一緒に含まれる栄養素が何かの影響も大きいです。例えばラーメンの場合、麺自体が太るか否かよりも一緒に食べる具材が何かによってかなり差が出てきますし、スープを飲むか否かでもまったく異なります。うどんにしても、山菜うどんなのか天ぷらうどんなのかで違いますし、お米にしてもマグロ丼と牛丼では異なります。
パンは脂質が含まれるので太りやすいと書きましたが、他にも小麦に含まれるグルテンの影響で多少、中毒性に近い症状が見られる時があります。いわゆる、食べるのが止まらないといった状態です。これはグルテンをつくっているグリアジンというタンパク質が原因とされていますが、そういった点においてはグルテンフリーのお米、さらには食物繊維が含まれている玄米は、太りにくい糖質の代表と言っていいかもしれません。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。