再び緊急事態宣言でジムはどうなる?【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第148回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?

 

新年早々、首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発令されました。すでに多くの報道がされていますが、簡単にその内容を整理しておくと、期間は2021年1月8日~2月7日の1カ月間。対象は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県。緊急事態措置としては、①飲食店の営業時間短縮(20時まで)、酒類の提供は19時まで②20時以降の不要不急の外出の自粛③テレワークの推進(7割削減目標)④イベントは「最大5000人かつ収容率50パーセント以下」に制限⑤学校には一斉休校は求めず、感染リスクの高い部活の制限。…だいたいこういった内容です。

 

新型コロナウイルスの感染拡大が始まった頃から、感染リスクが高いとされてきたジムについては、今回は特に明言されていません。大手のジムでも緊急事態宣言の発令を受けての見解を各ホームページにて発表しています。

 

ゴールドジム、コナミスポーツクラブ、ルネサンスなどは、現時点で体育施設への休業要請、時短営業要請が出ていないことから、通常通りに営業していくことをアナウンスしています。今後の対応については、政府や各自治体からの指導によって検討していくというのが現時点での方針。一方、ティップネスは、対象となる地域の店舗の営業時間を20時までに短縮するという方針をホームページ内で発表しました。

 

緊急事態宣言期間は2月7日までとされているものの、解除の基準を満たさなければ延長の可能性もあり、また大阪府をはじめ、その他の地域でも緊急事態宣言が発令されることも予想され、まだまだ先行きは不透明です。

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こうした状況を受けて、ジムを運営する方に見解を聞かせてもらったところ、大手ジム同様、政府からの指示がない限り営業時間などを変える予定はないということ。匿名で本音を語ってもらっていました。

 

「昨年の緊急事態宣言時は会員数が大幅に減少しました。緊急事態宣言が解除されて、戻ってきた会員さん、テレワークで運動不足になったからと新規で会員になってくれた方もいて、だいぶ元に戻ってきた印象があります。せっかく良くなってきたこのタイミングで緊急事態宣言は本音を言えば、やめてほしい。もしもジムの営業時間を制限されたり、自粛要請をされたら、もう一度元の状態に戻すのはしんどいし、心が折れますね。今はジムの運営について特にそういった要請はないので、これまで通りの営業をします。20時以降の外出は自粛というのはありますが、20時以降しかこられない会員さんもいるので、今のところは営業時間を変える予定はありません。もちろん、会員さんの安全が第一なので、消毒や換気、密にならないようにという部分はこれまで以上に気をつけてやっていきます。見てもらえばわかりますが、ジムは衛生面も問題ないですし、会員さんがお喋りをして飛沫することもないですし、これでダメと言われたらやっていけないですよね」

 

ジム関係者の方が言う通り、多くのジムは会員さんの安全のため、可能な限りのコロナ対策を施しています。当初は「苦しい」とトレーニーに敬遠されていたマスク着用も、機能性に優れた様々なマスクが発売されたことで苦しさも軽減し、マスクなしでトレーニングする人はいません。

 

マスクの着用、手洗い・消毒の徹底、密を避ける……これまでも言われてきた対策を確実に実行し、これ以上の感染拡大を防ぐ。こうしたことが徹底されていれば、ジムが自粛対象となることはないと考えています。昨年の自粛期間でジムを利用できない不便さを痛感しているので、同じ事態になることは何とか避けたいと思う次第です。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。