ピザや牛丼などのテイクアウトグルメに1~2品追加するなら?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第80回は、テイクアウトが多くなって栄養のバランスが偏りがちの昨今、追加したいメニューについて。

■サイドメニューを工夫すれば変貌することも

ピザや牛丼はジャンクフード的な印象を持たれるかもしれませんが、決して悪い側面だけではありません。

カロリーが高いということは、あたかもマイナスのように感じられるかもしれませんが、食べ物としての基本でもあります。逆にカロリーの低い(ない)食べ物は、元来の食べ物という趣旨から考えれば、価値が低いものであったはずです。

私たちは奇跡の飽食の時代にいるため(今でも飢餓で悩んでいる人たちが世界中にはいますが)、カロリーが悪という不思議な価値観を持つようになってしまいました。もちろん過剰はデメリットが大きいですから、カロリーも過多はNGですし、脂質も同様です。

ピザや牛丼はカロリーやタンパク質が豊富という点において、元来の食べ物としての価値は非常に高いものと言えます。ただし足りないものがありますから、そこを補えば非常に完成度の高いテイクアウトグルメになってくれるのではないでしょうか。

ファーストフードの代表と言えるのはハンバーガーですが、例えばチーズバーガーはサイドメニューさえ気にすれば、PFCバランス(三大栄養素の「P=タンパク質」「F=脂質(脂肪)」「C=炭水化物」がどれくらいの割合を占めるかを示した比率)の整った食べ物でもあります。このようにサイドメニューの工夫によって、大きく変貌することもできるのです。

代表的なサイドメニューはサラダ系でしょう。サラダ系がなければ、ピザなどの具に少し配慮してもいいかもしれません。ビタミンもさることながら、高カロリーの食べ物になるほど食物繊維の必要性が増していくからです。

ファーストフードのカロリーが高いだけが悪いのではなく、その吸収速度にも問題がありますから、先にサラダ系を少し食べてからメインディッシュへと移る工夫も癖にしておくといいかもしれません。もしビタミンが足りないと感じるのであれば、野菜ジュースなどを追加するのもおすすめです。最近は野菜スムージーなどもコンビニで売っていたりしますから、より生野菜に近いジュースとなり、さらにおすすめです。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。