サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第82回は、甘いお菓子を食べるならケーキよりも大福やどら焼きなどのほうが太りにくいのか?という疑問について。
■大福+プロテインは理想的?
食べる量にもよりますが、一般論としては洋菓子のほうが高カロリーで太りやすいと言えるでしょう。
和菓子は水を使いますが、洋菓子では生クリームやバター、牛乳などを使います。和菓子は大豆などの豆類や穀類、デンプン、砂糖などが主原料となり、洋菓子は卵、バター、チーズ、牛乳、小麦、砂糖などが主原料となります。ざっくり分けるならば、和菓子は植物系の原料で、洋菓子は動物系の原料です。動物性ということで脂質が多くなり、その分高カロリーとなるのが洋菓子なのです。
では和菓子は太りにくいかと言われれば、それは食べる量とタイミングによって大きく変わってきます。
たしかに洋菓子に比べれば低カロリーであり、低脂質です。しかし一方で高糖質でもあり、砂糖もふんだんに使われるケースがあります。血糖値も上がりやすく、タイミングと量によっては太る要因満載になります。単に洋菓子と比べて低カロリーというイメージで、節操なく食べてしまっては本末転倒と言わざるを得ません。
逆にグリコーゲンリカバリーなど、トレーニング後などのリカバリーには適している面もあります。あるいはプロテインと組み合わせれば、ミールリプレイスメント的にも使えます。少しマニアックかもしれませんが、大福+プロテインなんてかなり理想的なミールリプレイスメントです。高糖質、低脂質という和菓子の特徴を上手に活用すれば、単なるお茶菓子という以上の役割を担ってくれるかもしれませんね。
弱点と言えば、日持ちがしない点です。買い置きができませんから、ほぼできたてを食べるしかありません。また糖質制限している人にとっては100%真逆な食べ物になってしまいますから、太りやすいうんぬん以前にNGとなってしまいます。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。